秋の円高祭り

円、対ドルで一時92円台 対ユーロでも一時117円台に急伸(日経) 世界的な株安連鎖を背景に投資家のリスク許容度が低下し、低金利の円を借りて高金利通貨などで運用する「円キャリー取引」の持ち高解消に伴う円買いの流れが一段と強まった。
今年3月と同じような動きだ。けれど、今月28日に始まるFOMCアメリカのFFレート利下げが発表されれば取りあえず円高祭りはお開きになり、また揺り戻しで円安にぶれそう。
FFレートは今年3月18日に0.75%利下げで2.25%に引き下げられている。当時の春の円高祭りも金利引下げを先取りして1ドル=95円まで円高になり、日経平均も急落した。FOMCの期日が迫れば迫るほど駆け込み的なドル売り円買いが加速した。しかし、正式に発表された途端、あっという間に1ドル=1000円台に回復、110円以上にもなった時もあった。
キャリートレードの巻き戻しばかりに焦点当てられているけれど、アメリカのFFレート引き下げが確実視されている場合、ドルで借りて円を買うというドルキャリートレードが盛んになる。今回も同じイベントが進行中のようで、FOMCが正式に利下げを発表するまで続くだろう。で、発表されれば今度はドルキャリの巻き戻しが起きて円安になる。現在の状況だと、1ドル=85〜90円ぐらいまで円高になり、その後、1ドル=100円くらいに戻るだろう。
国際金融危機で比較的被害が少ない日本の円が消去法的に買われているというお約束事のような解説がテレビではされているけれど、もっと機械的、物理的に考えた方が良さそうだ。現在の為替は化学の浸透圧の作用のようなもので塩分濃度(金利)が低くなれば、水(カネ)も透過膜(為替市場)を通過して移動する。そんなもんだろう。講釈よりも物理的観察だ。
ユーロ安は欧州の政策金利がまだ利下げ余地が大きいから中長期的にはまだまだ続き、そのうち1ユーロ=100円以下になるんだろうか。けれど、円高祭り終了でいったんはまたつられてユーロ高になりそう。
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