「振動力発電」のすべて〜自産自消発電への道〜

振動力発電のすべて「振動力発電」のすべて(速水浩平著) 。著者は発電床や振子型振動力発電で株式会社音力発電を立ち上げたが、いよいよ本になった。折りしも人が歩くと発電する「発電床」実験…JR東京駅(毎日) 改札を1人が通過する発電量は前回の10倍の1秒当たり10ワットに改良されたが、総発電量は1日1400キロワットで白熱球1個を約4時間点灯させる量にとどまる。 という記事も出たが、基本的に微小電力の世界で、むしろ実用化の暁には、発電そのものよりも、脱電池化によって、言わば1円玉を支払って実は100円玉をお釣りに受け取っているような目に見えない省エネ効果が期待される。
腕時計や電卓では既に太陽電池で「永久電池」化された商品が出回っているが、振動力発電は更に家庭内にあるAV機器やエアコンなどのリモコンを電池から解放する可能性があるように思える。NECエレクトロニクスと共同開発している発電リモコンはボタンを押す際に同時に発電して電波を発射するのだからライターで火を点ける感覚で電気を「点電」する。ボタンだけで不十分なら、リモコンを手で数回軽く振って、あるいは振りかぶってボタンを押せばOKじゃないだろうか。ちょうど水銀柱体温計を振って水銀を元に戻す感覚だ。まあ、気をつけないと手が滑ってリモコンがモニター画面直撃、ガシャーンなんて泣くに泣けない事態もリスクとして想定しなければならないが。
WiiのヌンチャクとかWiiフィットバランスWiiボードに至っては、おあつらえ向き過ぎる技術ではある。今後、一般のリモコンもヌンチャク感覚で使われるようになるかも。それからデジタル体重計だって同じ伝で電池いらなくなる。
基本となる圧電素子は実際にライターやガスコンロの点火用に使用されているから原始時代に帰って言わば火打石に先祖がえりして電池に代用するようなものだ。
これを応用して電子辞書のキーボードに圧電素子を付ければ、字を入力しながら電力も入力することになり、充電式電池1個あれば、電池そのものが劣化しない限り、ほぼ永久電池になるのではないか。文字通り指来たすでユビキタス発電。ソーラーパネルと組み合わせれば最強。同じことが小型パソコン、携帯電話にも使える。少なくとも充電の必要が大幅に削減されるだろう。
携帯電話については、
靴底に振動発電機を入れた場合、15分程度歩けば携帯電話で約5分間通話できる電力(0.1〜0.3W)が溜まるという。(月刊アスキー2008年4月号)
とのことだが、そんなめんどいことしなくてもベルトとか腕バンドに付けて持ち歩けば振動力で知らぬ間に発電できてほとんど充電器が不要になるかもしれない。
首都高速全部に敷き詰めると、火力発電所1基分くらいの発電量があるそうだ。 ()
という話もあるが、これはあくまでたとえ話の領域だろう。もし車の振動を利用するなら道路より、車のタイヤ、バネあたりに付ければ、走行しながら電池を充電できる。これはまあ、あくまで微小電力だから塵も積もれば山となる世界ではあるけれど。
やはり最大の魅力はリサイクルも難しい電池の削減だろう。このことで微小電力でありながら電池生産に必要な膨大なエネルギー、資源を使わなくて済むことになる。その他、騒音の出る工場とかエンジンを振動力発電機内蔵防音パネルとか、応用は色々ありそう。
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