K-20(TWENTY) 怪人二十面相・伝

K-20公式サイト北村想原作、佐藤嗣麻子監督、金城武松たか子國村隼高島礼子本郷奏多今井悠貴益岡徹鹿賀丈史仲村トオル。、江戸川乱歩の「怪人二十面相」のパラレル・ワールド版。舞台も「ALWAYS 三丁目の夕日」のスタッフが戦後でなく、戦争なかった場合の1949年のパラレル東京に移動。
1958年にできたはずの東京タワーらしき塔が既に建設され、六本木ヒルズと浅草タワーを折衷したような高層ビルまである。実はこれ、映画に登場するブリューゲルの絵から推測できるように「バベルの塔」らしい。1950年以降のはずのテレビ放送も既にされているという、戦争がなければ多分そうだったろうなあ、というイメージを再現している。ただ、格差社会とことさら断らなくても、当時、というのも変だが、当時は今以上に格差社会だった。華族が登場し、大財閥が登場するが、ところで、昭和天皇はいかにおわしましたのだろうか。
ニコラ・テスラが実際に考案した無線送電システムが登場し、巨大隕石の落下とされるツングースの大爆発がオウム真理教が現実に必死に探した気象兵器、地震兵器の類の実験として登場するのもまた楽しい。ついでに言えば、オウムで有名になった自作自演も。
ただ、由美かおる後継候補に名乗らんばかりの熱演の松たか子操縦する高性能のヘリコプターは微妙な気がする。「当時」でも、ヘリコプターは固定翼と違って難しい技術で、戦争でも朝鮮戦争でやっと登場したくらいだから。けれど、考えてみれば、パラレルワールドでは何もかも許されそうだから、もっと思い切りやってもよかった。「ALWAYS 三丁目の夕日」に出てきた特急「こだま」だって戦争がなければ既に登場していたかもしれない。ただ、ゴジラは戦争がないと生まれる契機が失われているから無理か。というか、その後の核実験によって生まれたのだから。
「もし・・・・だったら」で見てしまったが、ストーリーの方もまずまず。ただ、ちょっと如意ロープに頼りすぎな面があるようで、それからバベルの塔一度爆破されているのに2度もというのも。
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