いまだ発展途上国のアメリカは今世紀中も世界最強であり続ける

アメリカの金融危機アメリカが沈没し、今後は多極化すると言われてきたが最近は無極化などという言葉も流行っているようだけれど、アメリカ合衆国は今世紀も世界の中心であり続けるだろう。なぜならアメリカはいまだ発展途上国で成長過程にあるからだ。
ウィキペディア:国の人口増加率順リストを見ると、アメリカは0.97%で131位。世界平均は1.17%だからほとんど世界平均と変わらない。既に人口3億人を超えているGDP世界一の国がいまだこれだけの人口増加率を維持しているのは驚異的だ。先進国でアメリカを上回っているのはオーストラリアのみだが、絶対人口の大きさを考慮すれば比べ物にならない。それに対してEU諸国は高くても0.7%程度でおおむね0.2%程度、ドイツに至ってはマイナスだ。日本も既にマイナスだ。人口減の日本はゼロ成長でも充分やっていけるので何とかなるが、先進国中アメリカは抜群の人口増加余地を残している。アメリカは先進国でありながらいまだ人口増加レベルで発展途上国であるという意味で特殊な国だ。
アメリカが金融資本主義で破綻したというのはナンセンスだ。金融資本主義という流行語で悲観論を垂れ流しているのは、実はアメリカ読みのアメリカ知らず、彼らはせいぜいアメリカ=ニューヨーク、ワシントンとおまけにシリコンバレーとかシカゴ、ロサンゼルスくらいしか見ておらず、アメリカがもっともっと奥深いトンデモなく凄い底力を持った国であることを忘れてしまっている。例えば主要国の食料自給率を見ると、128%。まだ1億人くらい人口が増えても食糧は自給できる。人口が増えたら増えたで、より集約的農業に転換すればもっと自給率が増える。その気になれば、畜産用のトウモロコシも食用の穀物に転換できるし、コメだっていくらでも増産できる余裕がある。森林面積だって植林可能面積も広いから温暖化対策にも対応できる。こういうベーシックが強いということは土台が揺るがないということで、上澄み液の高々あぶくがはじけたくらいで破綻するわけない。
なぜ発展途上国であり続けられるかといえば、国土が圧倒的に広い上に、ほとんどが温暖地帯で適度に多様性が富んでいて、余力が圧倒的にあることだ。移民の流入をまだまだ受け入れられ、しかも、雑多でバラク・オバマに見られるように混血化も進んでいるので国内だけで文化的経済的差異がどんどん発生し、そうした差異によって活力のポテンシャルが絶えず起きている。
元旦の「朝まで生テレビ」ではフォードシステムが誕生して100年でビッグスリーに見られる自動車産業の終焉とともにアメリカの世紀の終りなどといかにも今の空気に合わせた馬鹿馬鹿しい議論が出ていたけれど、たかがウォール街の金融資本主義の破綻くらい蜂に刺された程度でアメリカ全体が破綻するなんてことない。そんなことを大真面目に論議するのは一時的に行き過ぎた金融資本が自壊しただけのことを大袈裟すぎるくらいに誇張されたからだろう。
エコノミストほど明き目暗な人種はいない。特に日本のエコノミストときたら欧米のエコノミストの流行の言説を後追い、受け売りしているだけだからほとんどはトンデモだ。「あちらの誰それがこう言っているから正しい、誰それがこう言っているのにあんなこと主張しているあいつは馬鹿だ」という訓詁学的世界でコップの中の世界で派閥争いしているだけのへたれな人々だ。彼らはつい20年前くらいまで「アメリカで売れるものは農産物しかない」と言っていたのだ。今は「金融だけになってそれが破綻したからもうアメリカは終り」というのだから本当にトンデモだ。
ベーシックな農産物が余って売れることだけでも大した国だが、アメリカは複雑な複合国家で、ITも先進的なら農業も行ける、なんでもできる国で、極論すれば、アメリカ以外全て滅びてもアメリカはアメリカだけで生き残れるほど底力がある。経済のグローバル化を促進したのはアメリカだけれど、皮肉なことにグローバル化なしでもやっていけるのはアメリカだけだ。巨大でしかもバランスの取れた国は世界でアメリカだけだ。
何と言っても軍事力は依然圧倒的な支配力を持っている。いくら中国が台頭してきても技術的、産業的蓄積が比較にならない。また中国やインドは既に人口過剰でそれが重石になって発展しても高が知れている。恐らく再びぶり返すだろう資源高、食糧高で行き詰りに直面するだろう。
だからドル暴落説もいつも空振りに終り、100年に1度の金融危機の割にダウの株価指数もそんなに落ちない。ドル離れなんてもう聞き飽きたのだ。
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