外需依存体質と自虐史観

野口悠紀雄 未曾有の経済危機を読む輸出産業が崩壊した中国と日本、それぞれの危機の本質

02年以降の景気回復は、異常ともいえるほど外需に依存したものであった。その結果、新興国との競合が生じ、賃金がグローバルな水準に引き寄せられる平準化現象が生じた(これは、「要素価格均等化定理」と呼ばれるメカニズムだ)。そのため、景気回復の過程で、企業利潤は増えたものの、賃金は上がらなかった。労働対資本の分配は、かなり変わったのである。ところで、国内労働者の賃金が上がらなければ、内需の増加は期待できない。だから、外需依存がさらに増幅される。

野口悠紀雄氏は早くから円安バブル崩壊を予言していた一人。この部分は外需依存スパイラルの解説だろう。
ある限度を超えると、相乗的に増幅するポジティブフィードバックはバブルだけではないようだ。
バブルのように目に見えて地価や株価が上がると分かり易いけれど、それでもそれに合わせた説明をエコノミストと称する人々が行うので、結局バブルは破裂するまでわからない。野口氏の言う外需依存バブルは、むしろ一般の人の目には分かり難いためになおさら気付かれない。気付かれないから少しでも利上げすると住宅ローンの利払いが増える、少し円高になると「輸出依存の日本は大変」と決まりごとの言葉が連発される。
おまけに為替が円安になると、対内投資が先進国で最低(あんな超低金利で投資が来るわけない)だの、国民所得が何位に落ちてしまった、さあ大変、気がつけば途上国などなど為替レートを無視して「ダメ日本」が喧伝された。実は「日本はダメ」といい続けることで精神的バランスを保っていたのだ。
その癖、海外で何が起きているかということについては出羽守的関心以外実はない。まさか円安政策が世界金融危機を誘発したなどということはいまだもってコンセンサスになっていない。
なんでこうも自虐的なのかと言えば、結局、野口氏の次の言葉に集約されていると思う。

金持ちになりながら、生活を豊かにすることを考えず、稼ぐことばかりを考え続けていた人

が日本だ。自虐的なことと稼ぐことばかり考え続けることは実はコインの裏表だ。劣等感が持続しているからもっと働かなければならないという戦時体制的トラウマは依然として存在する。
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