埋蔵金って埋め直す必要ないからある程度効果あるのでは

池田信夫blog:上杉隆氏が理解していない簿記の基本 埋蔵金特別会計の剰余金だから、要するに税金である。つまり減税するぶん他の税金(国債の償還財源)を取り崩すだけなので、債務(国債)が減らないかぎり、今年の減税2兆円は将来の増税で必ず相殺される。
ここら辺りよく分からない。知る限り、霞ヶ関埋蔵金はその名の通り、使われていない死蔵された税金なのだから、それが市中に流通すれば有効活用されることになる。将来の増税でまた使った埋蔵金を埋め直すというのならその通りかもしれないが、そんなこと考えている人いないだろう。
これは、DIAMOND online週刊・上杉隆:麻生首相が施政方針演説で陥った矛盾+池田信夫氏の誤解している定額給付金4ページ目 給付金は、税の還付であるかどうかは議論の分かれるところだが、少なくともその財源について〈国債の増額〉〈必ず増税〉ということはない。今回の第二次補正予算でも明らかなように、その大部分には「埋蔵金」が当てられる。
埋蔵金」は広義の意味での「税」であるという点では賛同できる。だが、それはあくまで特別会計の剰余金であり、「埋蔵金」が池田氏のいう「国債」や「増税」に当てはまるかというと甚だ疑わしい、というのが財務省含め、多くの官僚の見方だろう。

という上杉氏の見方に対する反論なのだけれど、上杉氏の言う通り、死蔵された税金を国債増税で取り戻す必要などないだろう。埋蔵金は税金は税金でも過去に徴収され未だ使われていない税金なのだから埋め合わす根拠がない。つまり、何らかの方法で資産を2兆円増やさないと債務不履行が生じるということは埋蔵金に限っては想定されない。まあ、税収が上がってカネの使い道に困り、将来の危機に備えて埋蔵金にしておくか、という話なら分かるが、そんな幸福な状況、当分は訪れないだろう。名付け親の高橋洋一氏が「今使わないでいつ使う」という状況なのは誰の目にも明らかに思えるが。
よって、リカードの中立命題とはおよそ関係のない話で、埋蔵金は税の還付というより、遅れた税の運用と言える。
もっとも、定額給付金が基本的に効果が薄いことには変わりない。そんなことするぐらいなら、もはや後戻り不可能と思われる「地デジ給付こそ最強景気対策」と思っている口で、大して効果のない定額給付金が通ってしまったことはまことに残念と思っているのだけれど。地デジが気に入らない向きには埋蔵金国債買取償却の手もあった。国債買い取れば債務が減り、長期金利が低下して景気対策になる。
ついでに池田氏がたとえ話に出している、
上杉氏の収入が原稿料だけだとしよう。あるとき貯金が底をついて、タンスの中にあったへそくりを出して昼飯代に使ったとする。それによって上杉氏は得をしただろうか?タンスの中にあろうと銀行にあろうと、上杉氏の本源的な収入は原稿料しかないので、彼は得も損もしていない。政府支出は国民の税金を国民に還元するだけなので、長期的な経済効果はプラスマイナスゼロである。
これ、当然上杉氏が得している。へそくりを出して昼飯食うということは、上杉氏の原稿料だけでは食っていけない状態が想定されるので、餓死すればおしまいだからへそくりを出す。食いつないでまた原稿料が入ってくれば、餓死せずにすんだわけだから、へそくり万歳である。原稿料が上がって余裕ができればまたへそくりためればいい。カネって余裕のある時は貯める価値あるけれど、基本的に使ってやっと価値が確定することを前提にしているはずなんだが。
[追記]ところで、池田信夫氏はあっちのコメント欄で
埋蔵金って埋め直す必要ないだろう」とかナンセンスなTBが来たけど、削除しました。埋め直す必要なんかない。いま埋蔵金を使ったら、そのぶん国債の償還財源が減るんだから、機会費用は2兆円、必ず発生するのです。バランスシートの概念を理解してない**って意外に多いんだな。
とむきになって当エントリーを罵倒しているけれど、しかしねえ、地球温暖化のバランスシートもろくに理解していないトンデモな槌田敦氏の論文を平気で引用している**な人に言われたくない罠w 大体、じゃあ「いざという時」ってどんな時なんだよ。「千年に一度の金融危機」の時なんかなあ。

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