OECDの日本のジニ係数は2003年現在らしい

池田信夫 blog;所得格差は拡大しているか 日本の所得格差(ジニ係数)は図のようにOECD諸国の平均よりやや高い程度で、最近は低下している。
その「最近」がいつかが問題なのだけれど、これは以前「OECD「日本の所得格差縮小」は2003年現在か」に書いたように日本の場合、OECDの言うmid-2000とは2003年時点での話だ。
この件に関し、小倉秀夫さんがla_causette:日本のジニ係数は、mid-2000でも上昇している。 2005年調査分のジニ係数は再分配前で0.5263、再分配後で0.3873であって、いずれも2000年調査より上昇しています。
と指摘されている。恐らくこれが本来のmid-2000の数字だろう。なぜこの数字がOECDに反映されていないのか不思議だ。同じ手で同じ錯覚をさせようとする池田氏は意図的で確信犯的としか思えない。また、金融危機がはじける前ならもっとジニ係数は上がっていたと思われる。
OECD Economic Surveys JAPANの記述の中でも、
the Gini coefficient for the working-age population in Japan, which was below the OECD average in the mid-1980s, was the fifth highest in 2000.
と、労働力人口でのジニ係数は80年代半ばにはOECDの平均以下だったが、2000年には5番目にまで上昇したとしている。
だから、
20年前から日本のジニ係数OECD諸国の平均より高く、構造改革の行なわれた2000年代に低下している。これは90年代の不況で拡大した所得格差が、2000年代の景気回復で縮小したためと考えられる。よくも悪くも、構造改革が所得に及ぼした影響はほとんど検出できない。(池田信夫blog)
というのはデータのまやかしで、労働力人口に限れば貧困化は進んでいると見るべきだ。また、2000年代の景気回復で縮小したなど有り得ない。2003年はまだ景気回復が始まったばかりだし、承知のように賃金原資はむしろ景気拡大中減り、非正規は増えていたのだから。
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