小沢ショックは民主党には織り込み済みか

西松建設偽装企業献金事件による小沢一郎公設秘書逮捕劇は、民主党にどれほどダメージになるのか。過去のFNN世論調査を見ると、それほどのダメージではないんじゃないかと思える。
先月のFNN合世論調査によると、「首相に一番ふさわしいのは誰」で小沢一郎氏は13.4%で初めてトップに立ったが、これほどの追い風があったのにほとんど伸びていない。他の民主党議員菅直人氏3.2%、鳩山由紀夫氏2.2%と合わせても18.8%に過ぎない。自民党麻生太郎氏3.4%(、石破茂氏4.3%、石原伸晃氏6.2%、小池百合子氏3.8%、小泉純一郎氏7.9%、野田聖子氏0.8%、鳩山邦夫氏1.3%、舛添要一氏5.4%、与謝野馨氏6.8%で計39.9%。
一方の政党支持率では自民党21.9%、民主党25.9%。
政党首相候補支持率/政党支持率の比(PP比とする)では自民が1.82に対し、民主は0.73だ。民主の比が小さいのは、ずっと野党でいたため首相候補者が挙げづらいためと考えられるが、それにしても小沢一郎氏単独の13.4%というのは現役党首としては少なすぎる感を否めない。
2008年7月FFN世論調査では、「首相に一番ふさわしいのは誰」で小沢一郎氏は11.1%、他の民主党議員は質問リストにないので計でも11.1%。自民党福田康夫氏6.0%、麻生太郎氏19.1%、小泉純一郎氏19.6%、与謝野馨氏1.1%、小池百合子氏4.0%、中川秀直氏1.1%、町村信孝氏1.7%で52.6%。
一方の政党支持率では自民党23.0%、民主党29.0%。PP比は自民が2.29に対し、民主は0.38だ。
昨年7月に比べて民主党の支持率がそもそも落ちている。自民党は「首相に一番ふさわしいのは誰」の比率が52.6%から39.9%に大幅に落ち込んでいるのは麻生首相の体たらくで自然としても民主は11.1%から18.8%に伸びただけだ。党首の小沢一郎氏だけに限ればわずか2.3%ポイントしか伸びていない。政党支持率に対してどれだけ政党人の人気を示すPP比もリストが複数になっている割には伸び悩み。
本来なら「次期首相候補」はその所属する政党支持率に近い、あるいはそれ以上の支持率を集めるはずだ。昨年7月の麻生氏の19.1%という数字は、小泉氏の人気がまだあって減殺されていたと考えれば実質的に政党支持率以上だったお思われる。それに比べて民主党では、もう3年間小沢氏が党首を務めているにもかかわらず小沢人気は政党支持率に全然追い付いていない。政党そのものと党首の人気とでは党党分離状態がこれまでも続いていた。
これは明らかに「民主は支持するが小沢はどうもね」が数字としてこれまでずっと示されていたことになる。ということは、仮に今回の小沢一郎公設秘書逮捕事件が民主党にダメージを与える“国策捜査”であったとしても、その効果はかなり限定的だろう。東京地検は「あまり人気のない小沢一郎」を狙ってくれたわけで、元々小沢氏の人気のなさは織り込み済みなのだからそれほどのダメージを受けないことになる。ましてや民主党そのものに対するダメージは更に少ないことになる。
恐らく、今月の世論調査では民主党政党支持率は減少しても自民党の支持率が伸びる保証はない。そもそも、西松建設の献金率では、自民59%、民主38%と自民党の方が大きいのだ。このことも民主党のダメージを緩和させる働きをすると思われる。民主党の「首相に一番ふさわしいのは誰」リストには岡田克也氏、前原誠司氏らが登場し、「首相に一番ふさわしいのは誰」支持率は逆に増える可能性すらある。このことは自民、民主の因数分解を促進すると思われる。
少なくとも金融危機に比べれば民主党危機は大したことない。結局、伸びるのは無党派層だけか。
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