「自発的辞任を求める」という自発的無責任体制

両院議員総会の開催を=即時解散には反対−中川元幹事長(時事)

自民党中川秀直元幹事長は12日夜、都議選で同党が大敗したことを受け、都内で記者団に「全党的な議論をすべきで、両院議員総会の開催を求めていくべきだ」と語った。また、麻生太郎首相の自発的辞任を重ねて求め、「国民のためには、総裁選も当然ある」と9月の総裁選前倒しが必要との考えを示した。自身の総裁選出馬の可能性については、「まだ申し上げる段階ではない」と含みを残した。

この、
自発的辞任を求める」という言い回し、もう当たり前のように使われているが、求めて辞任を促したら自発的でなくなる。なのになぜこんな変な言い回しがまかり通るのだろうか。
要するに中川秀直元幹事長は「辞めろ」と言っているのだ。なのになぜ「自発的」(もしくは自主的)と冠詞のような言葉が伴うのか。
中川元幹事長は麻生首相に面と向かって言っているわけではない。記者団に言っているわけだ。ということは、「面と向かって辞めろとは言わないが、マスコミ、ひいては世間の空気読んで(自発的に)辞めて欲しい」ということらしい。
つまり、
中川⇒空気⇒麻生
という、空気を媒介にした話法らしい。何やら糸電話のような趣もある。
直接話法で言えば「麻生首相が自発的に辞任してくれたらなあ」という、独り言なのか、あるいは祈りの言葉なのか、そんな感じだ。あくまであるのかないのか分からない「空気」に向かっての呟きだ。
一人で呟いているのだから非公式な発言。それをどう解釈するかは記者団の勝手だから、俺には責任ないよ――。
かくして、自発的無責任体制なるものがいつの間にか永田町に自発的に出来上がったというわけか。
Clickで救えるblogがある⇒人気blogランキングブログランキング・にほんブログ村へ