給油活動を政権公約にと文句言うのは世界中で日本だけだろう

7月28日付・読売社説

民主党は、給油活動に反対なのか、条件付き容認なのか、その立場を明確にし、きちんと国民に説明すべきだ。外交の基本部分で、あいまいな態度は許されない。

極東ブログ:民主党は給油活動についてマニフェストに明記していただきたい

フィナンシャルタイムズ記事が指摘したように、わずかに明瞭な外交政策であった、給油活動を憲法違反とする、というのは、小沢一郎代表代行が代表当時に述べた私見に過ぎないと強弁するのは呆れた。
 そんな話がありますか。2007年のいわゆる「ねじれ国会」で、一時的ではあったが給油動中断にまで追い込んだ民主党は野党だったからなのか。政局のためならなんでもするというだけのことだったのか。給油法の問題で、衆院の三分の二という強権を使うことを恐れた安倍元首相と福田元首相を追い詰めて消したのは民主党のこの「給油法は違憲である」政策ではなかったか。あるいは、今度はその主張を堅持した小沢元代表を追い詰めて消すということなんだろうか。

たかが洋上ガソリンスタンドくらいでこんなに熱くなれるのかよう分からんのだ。本当に情けないというか滑稽というか、フィナンシャルタイムズの立場からすれば、自己利益になるからテキトーに書いているのだけれど、それに煽られて日本人までが、という感はある。こんなもの、お金を燃料に変えただけで実質資金援助でしかない。思いやり予算と実質同じ。こんなしょぼいことを公党のマニフェストではっきり書かないからケシカランって、どうかしている。こんなことを外交上の重要問題と見なすこと自体が外交音痴というか。そもそも洋上ガソリンスタンドがなくなってアメリカや国際社会は本当に困るとでも思っているのだろうか。経済的利得以外に何の関心も持っていないよ。フランスは「奉仕活動」に感謝してお返しに自衛艦に燃料をプレゼントしてくれたけれど。
ましてや、
雪斎の随想録:「あなたの為の」外交・安保政策

外交・安全保障政策は、総て「自分の都合のために」あると考えている向きがあるかもしれないけれども、実際は、他国に余計な面倒をかけないという意味では、「あなたの為に」やることでもある。つまり、「日本ならば、ここまではやってくれるであろう(これ以上はやらないであろう)」という安心感を与えるのが、外交・安全保障政策の目的なのである。民主党マニフェストの曖昧さを招いた社会党系平和主義者の姿勢は、「夜会に『裸に近い姿』で登場する」ようなものである。しかも、「イブニング・ドレスやアクセサリーにカネを遣うのは、無駄遣いだ」などということを口にしている。「緊密で対等な日米同盟」にしても、「日本ならば、ここまではやってくれる」という安心感を米国に与えられない限りは、画餅の類でしかない。

に至っては、一体この人はどこの国のために外交・安全保障政策を考えているのか訳が分からなくなる。
それなら北朝鮮に対するテロ支援国家指定解除というアメリカの行為とそれに続く対北朝鮮外交のみっともなさも、

「夜会に『裸に近い姿』で登場する」ようなものである。

ということになるのだろう。指定解除は明らかに、アメリカならば、ここまではやってくれるであろう(これ以上はやらないであろう)」という安心感、に対する裏切りであるならば。夜会のマナーを守っていないのはアメリカなのだ。そもそも外交は夜会じゃないのだから最初から無理筋なのだけれど。まことに読むに耐えない論考である。
結論的に言えば、洋上補給してほしいなら北朝鮮に対するテロ支援国家再指定をまずやれよ、そうしないと来年1月で打ち切りますよ、その程度の交渉材料でいいのだ。
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