低成長・省エネ・低炭素社会のヒーロー、イチロー

イチロー史上初の9年連続200安打を達成(日刊スポーツ)

マリナーズイチロー外野手(35)が大リーグ史上初の9年連続200安打を達成した。第1試合で左二塁打を放って残り1本とすると、第2試合の第2打席で遊撃内野安打を放った。
 シーズン200安打は、昨年までのイチローと、ウィリー・キーラーが1894年から1901年に8年連続を記録。100年以上破られなかった記録を更新したことになる。

アメリカの野球ファンの誰も知っている日本のプロ野球打者はサダハル・オーとイチロー・スズキだろう。
王貞治は高度成長期時代、「大きいことはいいことだ」の時代に本塁打数を積み重ね、最終的に868本打った。重厚長大産業の象徴だった。エネルギーももっと使え、使えば使うほど喜びも大きい。
しかし、この本塁打は日本という保護された国内産業の象徴でもあった。経済の自由化の流れとともにその記録は色褪せた。それは外国企業が本格的に国内に進出すれば、価値が相対化されざるを得ないものだった。
ところがイチローの場合、高度成長とは逆に、地道に省エネ、地道に無駄なエネルギーを排し、省エネ経営でアメリカ市場に食い込んだロールモデルだ。大体、あの多過ぎるほどの内野安打は、普通ならアウトになってしかるべき当たり損ないのエネルギーロスの当たりのはずなんだが、それをイチローは“リサイクル”して安打として有効利用しているのだ。守備だってフィールディングに無駄がなく効率的な省エネカーのよう。
そう、イチローはある意味せこい。けれど、せこいこそこの時代に合っている。
今の日本、もうネルギーたっぷりつかってドカーンと本塁打で高度成長なんてできない。イチローのせこさこそこれからの日本のカギだ。
思えば、イチロープロ野球に入団したのは1992年。ちょうど地球サミットがリオで開かれ、気候変動対策の枠組みが世界で初めて作られた年だ。
イチローはその後地道な積み重ねを行い続け、史上最短で9年連続200安打という記録を省エネモードで打ち立てた。振り返って、あの時から日本もそれ以外の世界も、イチローのような地道な積み重ねをしてきたろうか。残念ながらイチローの足元にも及ばない体たらくだ。いまだ内閣官房の出鱈目な想定を受け売りした受け売り専門家が、

2020年にきびしい削減目標を設けなくても長期的な削減は可能だということです。技術革新は時間の関数なので、2020年に90年比−4%という削減目標でも、図のように2050年に60〜80%削減するという長期目標は達成できます。

などと戯言言っているわけだけれど、技術革新は時間の関数なら日本は省エネ技術の革新を石油ショック以来も30年以上行っている。なら今の時点で二酸化炭素排出量かなり減っていなければならないが、なぜ減ってないのだろう。90年基準が公平、不公平にかかわらず増えているのだ。減っている分は、エネルギー多消費型産業の海外移転によるものだ。
イチローはせこいがゴマカシは絶対やっていない。これは大きな決定的違いだ。
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