15年前の各国の温室効果ガス排出削減目標

CO2、GDP比で40%削減 中国が初の数値目標(47NEWS)

中国国務院(政府)は26日、地球温暖化対策に関し、2020年までに国内総生産(GDP)単位当たりの二酸化炭素(CO2)排出量を05年比で40〜45%削減する行動目標を決めたと発表した。
また中国外務省は同日、来月7日からデンマークコペンハーゲンで開かれる気候変動枠組み条約の第15回締約国会議(COP15)に温家宝首相が出席すると発表した。
温室効果ガス排出量が世界一の中国がCO2排出量の数値目標を打ち出したのは初めてで、COP15の成功へ向けて弾みがつく可能性がある。
ただ、発表した数値目標は排出総量ではなく、GDP比のため、高成長が続けば排出量は増える可能性もある。また新華社電は、新目標について「国情に基づいた政府による自発的な行動」とし、国際的な削減義務ではないことを強調した。

05年比17%削減、米大統領表明へ(TBS)

アメリカのオバマ大統領が、来月、COP15に出席し、温室効果ガスの排出量を、2005年に比べ17%削減する方針を表明することになりました。
オバマ大統領がCOP15で表明する方針は、温室効果ガス排出を2020年までに、2005年に比べて17%削減するというもので、アメリカ下院ですでに可決された法案と同じ水準です。
 日本政府が表明した「1990年に比べ25%削減」という目標と比べると、かなり低い水準で、決して意欲的な数値目標とはいえません。

まあ、言うだけならただだから。過去の削減目標はどうなっていたか。
sakugenmokuhyo1994
表は1994年の各国の温室効果ガス削減目標。(出典)まだCOP3(1997)の前の頃だから、今から思えば、素朴というか、まだ1990年比ということも統一されてない。
ドイツは「二酸化炭素の排出量を2005年までに1987年と比較して25〜30%削減する」。オーストリア、オーストラリア、デンマークもほぼ同様の目標を掲げていた。
その他、アメリカは「2000年までに1990年レベルで安定化」、わが日本は「2000年以降も1990年レベルでの安定化をはかる」となっている。
その結果については、似たようなことを以前に書いていた。
CO2排出ヨーロッパvs日本

1990年と2004年を比較し、成績の良い順位に並べてみた。(単位:トン)
1.ドイツ12.4⇒9.79(−21.0%)
2.スイス6.3⇒5.47(−13.2%)
3.オランダ9.4⇒8.74(−7.0%)
4.ルクセンブルグ26.3⇒24.9(−5.6%)
5.ベルギー10.1⇒9.7(−4.0%)
6.アイスランド7.9⇒7.6(−3.8%)
7.フランス6.4⇒6.2(−3.1%)
8.イギリス10.0⇒9.79(−2.1%)
9.デンマーク9.7⇒9.80(+1.0%)
10.スウェーデン5.8⇒5.89(+1.6%)
11.イタリア6.9⇒7.69(+11.4%)
12.日本8.7⇒9.84(+13.1%)
13.オーストリア7.5⇒8.5(+13.3%)
14.アイルランド8.7⇒10.4(+19.5%)
15.フィンランド10.3⇒12.6(+22.3%)
16.ギリシャ7.1⇒8.73(+23.0%)
17.ポルトガル4.2⇒5.63(+34.0%)
18.スペイン5.4⇒7.72(+43.0%)
19.ノルウェー7.8⇒19.01(+143.7%)

ドイツは東ドイツというのり代遺産からまずまずなのだけれど、他はほとんどどうにもなっていない。これが現実。
ところで、中国だけれど、
List of countries by ratio of GDP to carbon dioxide emissions
これは2004年現在だが、中国のGDP per Emissionsは0.450、日本は3.663だ。仮に2020年で2004年よりGDP比45%削減できたとしても0.82にしかならず、現在の日本のGDP比より4.5倍多く排出することになる。
仮に中国が2004年から2020年まで平均5%の経済成長を続ければ、中国のGDPは2020年で2.2倍になる。45%削減しても1.2倍に増える。大体、削減目標というか増加目標は2005年比20%くらいか。そう考えると、あの中国からすれば結構大胆な目標ではある。
もっとも守られればの話だが。
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