デフレブーム

日本は今、デフレブーム。別に本当にデフレというわけではない。あくまでブームなのだ。ということで“デフレ”とカッコ付きの方が実体に即しているように思われる。
デフレの教科書的説明では、物価が安くなる⇒企業の儲けが減る⇒給料が減る⇒財布の紐が締まりさらに物価が安くなる⇒以下ループ⇒デフレスパイラルでさあ、大変となる。けれど、本当にそうなっているのかと言えば、そんなになってそうにない。10月の家計調査では、家計消費支出は前年同月比実質1.6%増で、実質ベースで3ヶ月連続の増加。名目ベースでは前年同月比マイナス1.3%だ。名目ベースでマイナスなのは当然といえば当然で、昨年夏は原油先物が1バレル=140ドル以上、食糧価格も大暴騰、鋼材価格も何もかも原材料、資源価格が一斉に馬鹿高値になった直後のことだ。
だから「消費者物価、8カ月連続マイナス 10月、下落幅は縮小」(朝日)というのも理の当然で、これでもしプラスにでもなったら逆に異常なくらいだ。デフレ、デフレと騒いでいる人たちは「去年のこと言ったら鬼が笑う」派であるらしい。
もう一つは“円高”。これで日本は購買力を増し、その結果、物価も安くなる。この二つの要素を足せば、今の日本の“デフレ”は何ら異常事態じゃないことがわかる。およそ自国通貨の価値が高くなってパニックになる国って日本以外ないんじゃないだろうか。
そういう人たちが言う“円高”の説明は「消去法的に円が買われているだけ」と判で押したように決まっている。けれどそんなに日本が駄目だったら、消去法で何で日本円が選ばれるのかは説明しない。本当に日本が駄目なら消去法でも日本円を買うのは危険だろう。そこの説明は聞いたことない。
まあ、デフレ大変派にしても、円高大変派にしても、「日本大変」と言い続けることがビジネスモデルな人たちだから仕方ないのかもしれない。そういう人たちは円安になればなったで「日本が投げ売りされている大変だ」と言うだろうし、もし日本だけがインフレに見舞われたら同じように「日本沈没」とか何とか言うだろう。彼らの言説はノストラダムスの大予言とよく似ているら。どっちに転んでも日本は駄目になるのだ。
大体1ドル=85円前後って実感レベルじゃ円高じゃない。年初も1ドル=90円割っているから、まだまだ感があって今の程度ではちょっと上がったくらい。そのうち、1ドル=80円台が定着すれば、飽きてしまってもう誰も何も言わなくなるだろう。まあ、そうやって日本はこの35年間、1ドル=360円からびっくりしては慣れてきた。デフレブームはすぐに終息するだろう。
Clickで救えるblogがある⇒人気blogランキングにほんブログ村 経済ブログへ