COPも京都議定書もとっくに破綻している

日経社説

しかし、これを出発点に、すべての主要な温暖化ガス排出国が削減の義務を負う新しい国際的な仕組みをつくりあげねばならない。

そうなのだ。COP15でもいまだ「出発点」なのだ。
コップは踊り水漏れてモップで拭う?
これ書いたのもう4年前だ。

出発時点の設計思想自体に問題があるから、こんな欺瞞的な会議もうやめれ、と思うのだけれども、かといってもうやめますと宣言したら、地球温暖化防止の放棄と思われて非難轟々だろうから、やめるにやめられない。
もう会議のための会議、先送りのための先送り、「一歩前進」のための「一歩前進」になっているのは誰の目(一人小池百合子を除いて)にも明らかだから、もう全然注目されないでしょう。あ?まだやってたの?って感じで。

一応、注目されるようになったらしいけれど、それは節目だからだろう。節目を過ぎれば次の節目まで注目されなくなる。以下ループ。会議のための会議、先送りのための先送り、「一歩前進」のための「一歩前進」という構造は何も変わっていない。そもそも開催地が悪過ぎ。何しろ、かつて「コペンハーゲン・ナンセンサス」が“合意”された同じ場所でろくな結果が出るわけない。
もう止めてしまえばいい。
役立たずのものをいつまでもたらたら続けても時間が浪費されるだけでむしろ害になるだけだ。鳩山政権が取るべき唯一の選択肢は「COP脱退・京都議定書放棄宣言」だ。鳩山イニシアチブから一気に全面放棄すればさすがにインパクトがある。
そもそも、
朝日社説

具体的な成果として目立つのは、「12年までの3年間に300億ドル」「20年時点で年1千億ドル」という先進国から途上国への支援策くらいだ。

という認識自体が間逆に間違っている。先進国から途上国への資金移動は、途上国の排出量を加速させ、火に油を注ぐ行為であることが理解されていない。
元々各国が何%削減目標と、国別対抗コンテストをしているのは、排出権取引と連動しているのだが、排出権取引自体が先進国から途上国への投資促進策の一環で策定されたものだ。現実の二酸化炭素排出削減とは何の関係もない。最初から排出量削減の粉飾決算の正当化のためのスキームなのだ。言わばグローバルなバラマキ政策だ。バラマキをして二酸化炭素排出量が加速しないわけがないのだ。現実にそうなっている。
このシステムの元に成長率の弱まった先進国から成長率の高い途上国へ投資が加速された結果、資源バブルが起き、リーマンショックの引き金になったことは記憶に新しい。一般にリーマンの破綻はサブプライムローンが原因とされているが、実際には、リーマンショック前の昨年7月に原油先物はピークをつけ、その後急落して、中国株もリーマンショック前に3分の1に一気に下落していた。リーマンは資源関連、新興国関連の金融商品をいっぱい抱え込んでいて一気に破綻したというのが真相だろう。その結果、排出権取引市場も一気に下落した。
これほど懲りているのに、
読売社説

合意には、「先進国は20年の削減目標を来年1月31日までに合意の別表に記載する」という内容が盛り込まれた。この数値が次期枠組みで各国が負う削減義務となる可能性が高い。

などと、いまだ国別削減目標コンテストを続けるというのは、もはや全世界おバカ状態だ。
仮に中国やアメリカがまがりなりにもこのコンテストに参加しても、「カーボン・ヘイヴン」が中南米や東南アジアなどに移動するだけで何も変わらない。二酸化炭素は国境に関係なくボーダレスなので排出場所が移動するだけで、排出量は今後も確実に増え続ける。しかも加速度的に。
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