米国のスマートグリッド事情

の講演会に行く。
というか、シリコンバレー在住の人の講演なのでIT絡み、というか、そもそもスマートグリッドというのは電力のIT化なので、電力線の中にもウィルスやスパイウェアが跋扈する時代になるかもという極めてネガティブな見方を知る。要はアンチウィルスソフトなどを扱うネットセキュリティ会社が電力網にも参入する可能性があるということ。これはスマートグリッドでどんな生活をし、どんな家電を使っているかというプライバシー侵害の可能性もあるからだという。
現実にスマートメーターに替えた途端、翌月の電気料金が2倍になったりとかで、揉めているケースも。その前の古いメーターが出鱈目だっただけだろー、なんてツッコミも一応出たけれど。
実際、そのツッコミも結構説得力があって、アメリカの送電網は古いところでは100年前とかが現存しているらしく、メーターだって認知症になったままなんてことも考えられるわけだ。
そして、実はこれがスマートグリッドの最大にして最高の動機付けで、ちょうどリーマンショック景気対策が迫られたという事情がある。スマートグリッドオバマ政権がイニシアチブをとったと日本では信じられている向きもあるけれど、実はブッシュ政権時の2007年に構想された。
さて、一応スマートグリッドのインフラが整備されたとして、どういうことが可能かというお話。電気自動車の充電をみんなが夜間に一斉にしたとすると、EVが恐ろしい勢いで普及すれば、夜中でも電力がパンクする可能性が出てくる。そこで、何時の時間帯に電力をどれくらいの値段でどの程度の電圧で充電する権利をオプション取引先物取引で売買する市場ができるかもしれないという話になる。これはアメリカが好きそうなのでやるんじゃないの、という話になる。そうすると、電力買うなら証券会社に行けよ、ということになる。
電気自動車のカラのバッテリーを満タンに充電するには3時間半かかるという。とすると、夜はもっと長いので、何も3時間半ぴったしに充電し続ける必要はないから、それこそ価格.comみたいなところに依頼して「8時間以内に、あるいは翌朝8時までに、もっとも安い時間帯を選んで充電する時間関数プログラムのオプションを買うなんてことになる。
ま、実際に米国で使われ始めているのにはカセット・バッテリーというものがあるそうだ。バッテリーを充電するのではなく、バッテリーそのものを交換する方式。交換時間は5分くらいだそうな。つまり、充電は交換業者がやってリサイクルするのだから、バッテリー部分はリースというか別売りというか。
まあ、概要はこんなところだが、なんだか面倒臭い時代になりそうだなあ、ということ。
Clickで救えるblogがある⇒人気blogランキングにほんブログ村 経済ブログへ