小沢一郎は公権力じゃないから困っている

週刊上杉隆:小沢幹事長問題ではっきりしたメディアと国家権力の危険な関係

小沢一郎も公権力だが、検察もまた公権力である。

小沢一郎の場合は違うんじゃないの。彼の公的立場は1民主党衆院議員に過ぎない。内閣の閣僚でもない。民主党の幹事長と言っても、基本的には1政治団体の役員でしかない。役員手当が税金から出されるわけではない。ま、税金から出る政党交付金の党内配分をどう塩梅するかという党内権力はあるだろうけれど、基本的に党内の“権力”の問題であって、公権力じゃない。そもそも小沢一郎って、これまでの政治家の経歴の中で閣僚という公職に就いたのは25年前に自治大臣国家公安委員長を務めた半年間だけ。元々公権力嫌いな人なのだ。これは逮捕後は闇将軍であり続けた師匠田中角栄の顰に倣ったものだろう。また議員としてもほとんど国会に出て来ず、質問もしない。よって職務権限という収賄の条件の圏外にある。
問題はその後で、なぜそんな程度の人が公的権力の最高権力者の総理大臣を上回る非公式な影響力を持っているかということ。その非公式な影響力の源泉はどこから来るのかということ。ぶっちゃけ、その非公式な影響力を崩そうと東京地検は必死だったのだろうけれど、結果は不起訴。非公式な力ほど手に負えないものはない。法律の網で捕まえようにも文字通り法外な影響力だから網に引っ掛からなかったわけだ。
よって東京地検もマスコミ世論という非公式な影響力を利用せざるを得なくなった。というか、これは今に始まったことではないんだろうけれど。
問題は、公的権力たる東京地検の捜査そのものではなく、捜査のタイミングにおける裁量権、恣意性だろう。なんでまた政権交代になるかもしれない衆議院選挙、参議院選挙前に華々しくやってくれたのか。その気があるのなら5年前でも良かったし、10年前でも良かったし、20年前でも良かった。
なぜ今なのかと言えば、やっぱりそれを望んだのは霞が関じゃないのかと。公務員法改正されて特殊法人ばっさり削られて、特別会計たる離れのすき焼きを粥しかない母屋に持って行かれては困る人たちの望みなんだろう。
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