辺野古「付近」

鳩山首相「辺野古付近にお願いせざるを得ない」(産経)

鳩山由紀夫首相は23日午前、沖縄県仲井真弘多知事と会談し、米軍普天間飛行場(同県宜野湾市)移設問題について「国内および日米の間で協議を重ねた結果、普天間飛行場の代替地そのものは沖縄県内に、より具体的に申し上げれば、名護市辺野古付近にお願いせざるを得ないという結論に至った」と述べた。

この「付近」が何とも素晴らしく曖昧なのである。これだと2006年合意のV字滑走路に戻ったどころか、それ以前に振り出しに後退したことになる。
「付近」には辺野古沖のV字もあれば100メートル沖ずらし、埋め立てか杭打ち桟橋か、更には一時有力だったとされるキャンプ・シュワブ陸上案も含まれ、何でもアリということだ。議論で引き延ばす口実いっぱいだ。
ということは結論まではまた10年くらいかかりそう。つまりまだ普天間基地は10年くらい継続使用ということになる。普天間周辺住民にとっては最悪なのだ。
でも、それが一番沖縄経済にとっては最も良いということになるのかもしれない。「嫌よ嫌よも基地の内」状態が引き続き継続されることになるのだから。

軍用地主らが戦後、土地返還や賃料値上げを訴えてきた歴史を背景に、米軍・自衛隊施設内の民有地の借地料はここ数年も平均0・5%前後上昇。沖縄の過重な基地負担への“代償”の意味合いもあるため、県外者による土地購入は望ましくないとの指摘もある。
 関係者によると、地元不動産会社による売買価格は年間借地料の20−30数倍。返還予定がない米軍嘉手納基地や、那覇空港自衛隊用地は30倍以上で売買。

(参照)
早速だが、当の辺野古地区では、
現行アセス内で容認 辺野古区、補償など条件に(琉球新報)

名護市辺野古区(大城康昌区長)は21日、行政委員会を開き、政府が米軍キャンプ・シュワブ沿岸部への移設を決定した場合は、現行の環境影響評価(アセスメント)の範囲内でできるだけ沖合に移動することや補償などの拡充を条件に、移設を容認することを全会一致で決議した。
 大城区長によると、「決議は政府の最終決定後でもいいのではないか」との声もあったが、政府が現行計画と同様の沿岸部埋め立てを軸に移設案を調整し、28日に日米合意文書を出すという報道があることを踏まえ「それまでに辺野古の意見を決めておかないと、遅くなる」と判断したという。
 条件については、細かい内容には言及しなかったが「これまでより厳しくする必要がある」とし、政府が条件を受け入れない場合は(移設を)はねのけることもある」と述べた。
 一方で移設の誘致活動ではないとも強調。県外、国外移設を掲げる稲嶺進名護市長の姿勢を支持する意向を示し、「決議とは逆行しているかもしれないが、市長には頑張って公約を通してほしい」と話した。

経済的に考えれば、借地料や補償料はもろ900兆円超えの国家予算をボディーブローのように食いつくす。普天間基地移設はある意味事業仕分けだったはずだ。人口密集地に基地を置くより過疎地の徳之島や種子島に移設すれば、それだけコストカットになる。軍事的安全保障も抑止力も大事だが、今や時限爆弾のような国の借金の爆発を防ぐ経済の安全保障の方もそれに劣らず大事なことだが、この分では「沖縄バラマキ」が更に続くのは確実のようだ。納税者は「付近」という言葉に怒りを覚えるべきなのだ。
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