菅直人「第三の道」は江田ビジョンの焼き直し

菅内閣が発足、財政再建を重視 首相、各党に論議呼び掛け(47NEWS)

首相は「強い経済、強い財政、強い社会保障を一体として実現する。財政を立て直すことが経済成長の必須要件だ」と指摘。財政再建のため「党派を超えた議論をする必要が今この時点である」と訴えた。これらの首相発言は、自民党子ども手当など民主党の政策を「ばらまき」と批判していることを意識しているとみられる

強調した「強い経済、強い財政、強い社会保障」って、そんな何でも良くなりゃ苦労せんわなと思ってずっと引っ掛かっていたのだけれど、その出所はきっと師匠の江田三郎(江田五月参議院議長の父)の江田ビジョンなのかと思いいたった。その骨子は、

・高いアメリカの生活水準
ソ連の徹底した社会保障
・英国の議会制民主主義
・日本の平和憲法

だ。要するに、絵に描いたような“いいとこどり”。
同じような“いいとこどり”が半世紀を経た今、弟子によって表明されている。
菅直人首相「第三の道」 実現へ高いハードル (産経)

「国民が不幸になる要素をいかに少なくするか」
社会保障の多くの分野は経済を成長させる」
「財政の立て直しが経済成長の必須条件」

こうなると、産経が言うような、

ケインジアン(積極財政論者)」的な考えがにじむ。

とか、
池田信夫blogの言う、

ケインズ的な福祉国家の焼き直し

というより、もっと単純素朴に江田ビジョンの焼き直しと言った方がいい。相互に両立するかどうかなんてお構いなしなのだ。
菅首相のブレーンの小野善康阪大教授は「政府事業」という言葉を使っているそうだが、要は「良い公共事業」という意味らしい。つまりは公共事業だと無駄遣いのイメージが大きいので、いいとこどりして言い換えたに過ぎない。“小沢隠し”ならぬ“公共事業隠し”というか。
大体、良い公共投資とか、増税して財政も立て直し、経済も成長するなんて、まさに「江田ビジョン」といういいことずくめビジョン丸出しではないか。
ついでに、今朝のテレ朝で元NHK記者で「菅直人氏とは30年の付き合い」と自称する元NHKワシントン支局長の外交評論家・手島龍一氏が「菅さんの師匠、非武装中立土井たか子さんの影響を受けて普天間問題でアメリカと交渉できるか」とかなんとか言っていたけれど、本当の師匠は社会市民連合を立ち上げた江田三郎である。「30年も付き合い」をしてそんなことも知らんのか。
ま、菅さんが土井さんほど頭かたいと思わんし、社会主義者とも思わんけれど、その時代、時代の流行する思想のいいとこどり主義者であることには間違いないようだ。
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