経済人は尖閣問題に無頓着?

本日未明の「朝まで生テレビ」:「日本を元気にする薬」はあるのか?!を録画で観ていたら、パネリストの一人宋文洲ソフトブレーン株式会社創業者が面白いこと言っていた。宋さんは前日夕方まで中国に滞在していて、中国人船長処分保留釈放事件は日本に着いて初めて知ったという。中国滞在中は、この尖閣の船長逮捕事件はほとんどの人が無関心で、帰国してから中国の友人に電話で尋ねてもやはりほとんど無関心で、騒いでいるのは一部の「右翼」だけだという。
他のパネリストから「(宋さんの友達はほとんどビジネス関係だろうから)経済人は無関心なだけじゃないか」というツッコミが入った。元々今回は経済問題中心に討論するはずだったのが、緊急事態で急遽、出だしだけ討論したわけだろうけど、そのことが結果的に面白い議論を引き出せたと言える。
実際、経済人は実利本位でモノを考える人が多いから、激情的な政治事件は割と冷ややかに見る習慣があるのかもしれない。
日本でもゲーム理論を持ち出して今回の釈放は妥当だったという経済学的意見まである。
5年前の反日騒動も、2年前の毒ギョーザ事件も結局、有耶無耶なまんまほとぼりが冷めれば何事もなかったように両国間の経済は動いている。そういうことで、所詮、「損か得か」で最終的に落ち着くだろうという経験と見通しがあるのだろう。
実際、半分くらいは当たっていると思う。
けれど、もちろん、これら冷静すぎるような判断も短期で考えるか長期で考えるかでの話で、長期的には日本にマイナスだということには変わりない。
こうした譲歩を続けると、外堀を徐々に埋められ、気が付いたら「強硬」が既得権になってしまっているだろう。
かつて、北朝鮮の最高指導者金正日の長男金正男日本密入国事件でも時の小泉純一郎首相+田中真紀子外相は超法規的にわずか1日で強制退去処分にした。理由は北朝鮮に滞在中の邦人観光客の安全を考慮してのことだが、今回もフジタ社員の拘束で降参したようだ。今や経済交流が大きくなればなるほど人質も簡単に見つくろえる。それでも、経済人は損得計算で大したことないと言い続けるのかもしれない。
懲りないのは日本でこれは自民党政権でも民主党政権でも変わりない。ただ自民党政権の方がより“効率的”だったということだろうか。
思えば、戦後、日本は外交売り経済買いを続けているのだ。今更、日本のこうした基本的姿勢は中国はよく知っている。
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