「柳腰」の新解釈を作った仙谷由人官房長官

「柳腰」発言、撤回せず=仙谷長官(時事)

「柳はなよなよしているが、しっかりして強いという意味だ」。仙谷由人官房長官は14日の参院予算委員会で、自民党山本一太参院政審会長から再三、自身の「柳腰」外交発言を撤回するよう求められたが、こう言って突っぱねた。
「柳腰」発言が飛び出したのは12日の衆院予算委。尖閣諸島中国漁船衝突事件をめぐる一連の対応について、石原伸晃幹事長から「弱腰外交」と批判された仙谷氏は「弱腰とは思っていない。柳腰というしたたかで強い腰の入れ方もある」と反論した。
14日の参院予算委では、山本氏が「中国語では女性を表現するときにしか使わない。外交には不適切だ」と指摘したが、仙谷長官は「日本のしなやかな柳腰外交が(国際社会から)評価されている」と譲らなかった。

敢えて仙谷官房長官に一票。「柳腰」の誤用なのだけれど、センスの良い誤用だ。
広辞苑によると、「柳腰」というのは音読み、訓読みで微妙にニュアンスが違うらしい。

やなぎごし【柳腰】
細くてしなやか腰つき。「柳腰の美人」

りゅうよう【柳腰】
柳の枝のように細くしなやかな腰、すなわち美人の腰。

同じことだろ、と思う向きもあるかもしれないが、訓読みは「腰つき」であり、腰の様態に重心を置いているが、音読みは、「花顔柳腰」のように腰そのものの表現、あるいはそういう腰を持った美人そのものに意味の重心が移動している。

山本氏が「中国語では女性を表現するときにしか使わない。外交には不適切だ」と指摘

というのも、「りゅうよう」的ニュアンスだろう。
それに対して「やなぎごし」は美人を形容する言葉であっても、それに限定しない“柳腰”的柔軟性を感じる。
恐らく仙谷官房長官は、「二枚腰」と「柳に雪折れなし」の連想合わせ技で思わず「柳腰(やなぎごし)」と言ってしまったのだろう。
元々言葉の新解釈というのは、最初は誤用から生まれるものだ。センスのない誤用は誤用のままで終わるがセンスのある誤用は、そのまま生き延びて市民権を得る。
で、別解釈を採用して、

やなぎごし【柳腰】
その他に、弱腰、腰砕けと罵倒されても、柔軟に対処し、自分の立場を守ったと強がる様を言う場合もある。「名を捨てて実を取る」に類似しているが、「及び腰」や「逃げ腰」を取り繕う、自己弁護的、負け惜しみ的なニュアンスが強い。「柳腰外交

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