“マスゴミ”と言う前に“ボロガー”の自覚あるのか

あんまりケチつけたくないんだけれど、
極東ブログ:北方領土問題を巡るクローリー米国務次官補発言については、(日本の)マスコミを批判するブロガーはやはり素人で、プロのマスコミに比べて浅い典型だと思う。
槍玉に挙げられているNHKニュース:米高官 北方領土で日本を支持

アメリ国務省クローリー次官補は1日、「日ロ間に領土問題があることは十分に認識しており、北方領土に関しては日本を支持する」と述べ、北方四島の日本の主権を認めるという立場を明確に示しました。そのうえで「日本とロシアは平和条約の締結に向けた交渉をすべきだ」と述べ、日本とロシアに対し領土問題の解決に取り組むよう促しました。アメリカ政府は、沖縄県尖閣諸島めぐる日本と中国の対立については、尖閣諸島日米安全保障条約の適用範囲だとしながらも、領有権問題については明確な言及を避けています。これに対し、クローリー次官補の発言は、北方四島の日本の主権を認めるという従来のアメリカ政府の基本姿勢を、オバマ政権としてもあらためて確認するものとなりました。

と、
産経新聞:北方領土は安保条約対象外 米高官

【ワシントン=佐々木類】クローリー米国務次官補(広報担当)は2日の記者会見で、ロシアのメドベージェフ大統領が日本の北方領土を訪問したことに関連し、米国の日本防衛義務を定めた日米安全保障条約第5条について、「(北方領土は)現在日本の施政下になく、条約は適用されない」と述べた。
 同時に、「米政府は日本を支持し、北方領土に対する日本の主権を認めている」と重ねて強調した。
クローリー氏の発言は、同5条が適用されるのは沖縄・尖閣諸島のようにあくまで日本の施政下にある領域であり、北方領土はこれに該当しないことを改めて確認したものだ。

で、槍玉部分は、

クローリー氏: はい、そうだった。手短な答えは、適用されないということだ。
QUESTION: Is there a long answer?
質問: 長い答えはありますか?
MR. CROWLEY: (Laughter.) I mean, just – the United States Government supports Japan and recognizes Japanese sovereignty over the Northern Territories. I can give you a dramatic reading of Article 5 of the security treaty. But the short answer is since it’s not currently under Japanese administration, it would not apply.
クローリー氏(笑い): つまり、米国は日本を支援し、北方領土への日本の主権を理解しているというだけだ。日米安保第五条について心を込めて読み上げることもができるが、手短に言うなら、それは現状日本国施政下にはないので、適用されないだろう。

で、finalvent氏の結論は、

仮にの話だが、北方領土を自国領土だから防衛にあたるとして日本が武力行使に踏み切った場合、米国は静観するということだ。

ここで、マスコミとブロガー(finalvent氏)の違いが出る。マスコミはそういった仮の話にはつっこまず、明確な答えである「手短な答え」に抑えている。もちろん、「詳細な答え」に気付いていないのではなく、敢えて訳さなかったのだ。なぜなら訳しようがないから。ここら辺が訓練を受けたプロの技術だろう。
クローリー氏は「大向こう受けするArticle5の解釈も言えるのだけれどね・・・」とニュアンスを持たせており、「仮に軍事衝突になれば・・・話は別でしょう、でも現状は日本国施政下にはないので」と含ませている。
ここら辺はやはり素人とプロの解釈の差が出ている。
ま、クローリー氏は極めて常識的に語っているわけで、マスコミはそんな常識的でかつ曖昧な解釈を敢えて踏み込んで訳さないし、また訳す必要もないだろう。クローリー氏自身が明確な踏み込んだこと言ってないのだから。
つまり、クローリー氏の発言で

日本が武力行使に踏み切った場合、米国は静観するということだ。

というのは個人的妄想に過ぎない、悪いけど。なぜなら日本が武力行使したら、その日本の主権を認めているアメリカが静観するということ自体妄想系だ。日本が武力行使に踏み切った瞬間、状況が変わるのだ。
その点、痩せても枯れてもマスコミはプロで、しっかり文脈を抑えて、訳すべき個所とスルーする個所をしっかり仕分けしている。ましてや我流解釈などしない。
こういう解釈されると「やっぱマスゴミは駄目だ」ということになり、実際、ツイッターのコメント見るとそうなっているから困ったものだ。
所詮素人は素人なのだと思い知るには好個の例だ。
Clickで救えるblogがある⇒にほんブログ村 ニュースブログへ