池上彰氏のお粗末解説

テレ朝の「池上彰の学べるニュース」を見ていたら、結構基本的な間違いや曖昧なまんまの解説ばかりだった。
例えば、福島第一原発事故後、「中国では事故が起きた当の日本製の粉ミルクが飛ぶように売れているというのはおかしな現象ですね」なんて言っていた。
何もおかしくないじゃないか。事故後、日本製の粉ミルクは入って来そうにないから、既に中国に輸入された日本製粉ミルクを求めて殺到したのだ。「それでも日本製の方が安全」と思われたのではない。
オマケに「自然界には存在しないプルトニウム」とも。これも間違いで、実際には核爆弾が開発する以前からごくわずか自然生成のプルトニウムが存在することが明らかになっている。
また枝野幸男官房長官が以前は「ただちに影響しない」と言っていたが、これでは将来影響を受けるかもしれないと取られるので最近は「将来的にも影響がない」と言い換えている、と解説した。これも、おかしな話で「ただちに影響しない」し、「将来的にも影響がない」と言うのなら、すなわち「無害」と言わなければならない。けれど、「無害」とは言い切れないから枝野長官も苦労している訳だ。
池上氏は放射線の高い「その場でずっととどまっていた場合」と補足していたが、枝野長官の修正発言はそんなこと含意しないので訳が分からなくなる。そういう訳分からなさをしっかりツッコミを入れて解説すべきなのが池上氏の立場なのに、これじゃほとんど政府広報だ。
大体、放射線の影響による発癌の問題は確率の問題だから厳密に言えば、一度でもわずかだが発癌リスクはある筈だ。累積的に浴び続けて初めて発癌のリスクが高まるというのではなく、例えば宝くじ100万枚買えば高額当選する確率は確実に高まるが、1枚買っても、その1枚が高額当選になる確率はわずかだが必ずある。そういうもんだろうと思う。こういう疑問も有耶無耶にされてしまった。
こんな程度では、彼の商品価値もやがて半減期が早くなるだろうさ。
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