低濃度より高濃度放射能汚染水を海に捨てるべき


東電、低レベルの放射線汚染水を海に放出へ 法定濃度の100倍(産経)

福島第1原子力発電所の1〜6号機のタービン建屋などに強い放射性物質放射能)を含む汚染水がたまっている問題で、東京電力は4日、比較的、汚染レベルの低い水がたまっている集中廃棄物処理施設内と5、6号機の地下水を、それぞれ5日から海に放出すると発表した。東京電力によると、海へ放出する低レベルの放射性廃液は法律で定める濃度の約100倍。
 2号機のタービン建屋地下の高濃度の放射能汚染水が何らかの経路で2号機取水口付近のピット(穴)から海に漏れ続けている。汚染水を移す仮設タンクの設置が間に合わない中で、一時的な保管先を確保するため、やむなく低レベルの汚染水を海に放出することにした。
 海への放出は、原子炉等規制法64条1項に基づく措置。東電が放射性物質を含む水を意図的に海に放出するのは事故後初めてとなる。海に放出するのは、集中廃棄物処理施設内の滞留水が約1万トン、5、6号機の地下水が合計1500トン。

前々からそのうちに放射能汚染水を海に捨てなければならないことになるだろうと思っていたが、これでは中途半端だろう。肝心なのはトレンチやタービン建屋などに貯まっている高濃度放射能汚染水。これを取り除かないことには冷却システムも汚染水リサイクルシステムを構築する作業ができない。今回の低レベル汚染水海洋放棄は、低レベルを捨てて空いた場所に高濃度汚染水を移し替えるためだろうが、移し替えること自体に手間がかかるし、手間かけている間にも高濃度汚染水はますます増えるだろう。所詮ほんのわずかの時間稼ぎにしかならない。だとしたら手間が増えるだけで安定冷却が先延ばしされるだけだ。
そもそも前々から疑問に思ってたのだけれど、発電所の目の前には突堤で囲まれた港湾水域がある。その中にさらに突堤に囲まれた水域もある。この水域の出入り口を突貫工事で閉めて干潮時に完全に締め切る。その中に高濃度汚染水を流し、同時に出入口に放射能除去剤積み上げてフィルターにする。もちろん、砂底の下を通って汚染水がもれるだろうから底にもセメントや放射能除去剤を敷いて必要最低限の漏れにする処置を行う。
それでも海洋汚染は避けられないが、海は何と言っても地球上最大最強の希釈装置だ。もはや肉を切らせて骨を断つで、今ここにある海洋汚染には目をつむり、中長期的な汚染を予防するしかない。そのためには、とにかもかくにも作業員が働ける環境を整えるのが最優先事項だろう。恐らく、これぐらいのこと東京電力だって分かっているのだろうけれど、手順を踏んで「ここまでやりましたが、もはや万策尽きてやむを得ず」ということにしないと世間が納得してくれねいと思っているのだろう。世間を納得させるために余計に被害を拡大すれば最悪だ。
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