「製造業の海外移転」という定番脅し文句

国内企業、電力不足で日本脱出続々 “思い付き”脱原発にも不信感(産経)

原子力発電所の停止による全国規模の電力不足を受け、生産拠点などを海外に移転する動きが広がってきた。電力安定供給の確保の道筋が見えないまま、「脱原発」色を強め、自然エネルギーへのシフトを強める菅直人政権への不信感も、日本脱出に拍車を掛けている。東日本大震災を教訓としたリスク回避のための拠点分散化の動きも重なり、「産業の空洞化」が一気に加速しかねない。

でも、一体、どこへ脱出する気なんだろう。
生産現場に襲いかかる「突然停電」「史上最悪」が現実味を帯びる中国の電力不足(日経ビジネス)

中国で電力不足が深刻化している。現地報道などによると、今年の電力不足は夏場の需要ピーク時に3000万〜4000万キロワットとなる見込みだ。記録的な電力不足に直面した2004年や2008年に匹敵するか、これらを上回る混乱が見込まれている。
電力不足の背景は、まず需要サイドから見ると、堅調な経済成長を背景とした力強い電力需要がある。
国際貿易機関(WTO)加盟以降、中国では電力需要が急速に拡大している。中国の電力消費総量は2010年に米国(3.9兆キロワット)を抜き、4.2兆キロワットとなった。既に、世界最大の電力消費国なのである。
今年も中国の電力消費総量は2ケタ(12%前後)の伸びを示す見込みだ。実際、電力会社の企業団体である中国電力企業連合会(CEC)は2011年、前年比12%増を見込んでいる。

もちろん、「中国」とは日本の中国地方のことではない。
電力不足で生産は混乱(HOTNAMNEWS)

4〜6月に電力供給は非常に厳しい状況となり、計画停電を余儀なくされる可能性がある。
ベトナム電力グループ(EVN)によると、電力システムの安全運転、広範囲での停電発生を防ぐため、1日平均の発電量を4月は2億7,000万kWh、5月は2億7,500万kWh、6月は2億8,500万kWhに抑える。そのため全国で1日あたりの電力不足が1,000万〜1,500万kWhに達する可能性がある。

印、4億人が暗闇生活 盗電横行・送電時ロス、経済成長を阻害 (SankeiBiz)

東京電力福島第1原子力発電所の事故を機にインドでも原子力への逆風が強まっているが、インド政府が原発推進の旗を下ろす気配はない。その背景には電力泥棒が横行し、暗闇で4億人が生活するなど想像を絶するほどの厳しい電力事情がある。

たぶん、新興工業国は似たり寄ったりの状況なんだけれど、海外移転したらかえってマズイだろう、おい。これらの国々から見れば日本の電力不足はたかが知れている。これらの国々に比べればとても電力不足と言えないだろう。「電力料金が高くなる」という脅しも、元々高いのだから何の説得力にもならない。
元々「工場の海外移転による産業空洞化」という脅し文句は今回の節電だけでなく、遠く1985年のプラザ合意による円高以降からずっと続いている現象だ。そもそも新興国の電力不足自体、日本などの海外法人が殺到しているから需要に供給が追い付かないのだ。電力不足を輸出して何をどうしようというのか。
点検済みの原発を粛々と再稼働すればよいのだが古川康佐賀県知事菅直人首相が来てもらわんことには再稼働に踏み切れないとかわけわからんこと言っている。現地に行っている海江田経済相は単なるパシリだと言うのか。政府もなめられたものだ。
これについて朝の番組で平井文夫フジテレビ政治部長なる人が「再稼働お願いするときは海江田さん任せ、浜岡原発停止する時は管さんがパフォーマンスといいとこどりしては説得力ない」だのかんだのとわけわからないこと言っていた。浜岡だって現地言ったのは海江田経済相だったんだけどねえ。本当に政治部記者というのはレベル低い。
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