成長戦略で財政再建症候群

欧米+日本の財政危機を簡単に言ってしまえばこういうことになる。この症候群、先進国トップランナー日本ではもう20年続き、事実上のゼロ金利政策が既に10年以上続いている。その結果、国債残高900兆円以上というとんでもないものを生み出した。そして恐ろしいことにまだ性懲りもなく成長しろ、と言われている。もうとっくに成長戦略は破綻しているというのに。
アメリカは2013年まで金融の出口戦略を諦めた。恐らくこの調子では2013年になれば2015年までに延長されるだろう。日本も金利正常化論はあったが、「今、金利を上げれば、折角の景気回復が腰折れする」と延々と低金利政策が引き延ばされた。今世紀に入って日銀の最高の政策金利は0.5%だ。その結果、円キャリートレードで世界中にマネーが供給されて、リーマン・ショックの大きな原因になった。
今度は安心してドル・キャリートレードが行われて、世界は再びバブリーになるだろう。その結果、一時的に財政危機に歯止めはかけられるだろう。
しかし、歯止めがかかったあたりで、どっかでバブルがはじけて元の黙阿弥になれば、いい方で、たいていは元の黙阿弥以下に悪化する。かくして世界は破局に向かうだろう。
成長戦略とは、無理な成長戦略、無駄な成長戦略、借金で成長を粉飾することの言い換えだ。もっと付け加えれば進歩主義史観の変種だ。
日本の国債が暴落する日も近い。官僚は「大丈夫な理由」を箇条書きするだろう。彼らは自分たちが否定したくないことの「大丈夫な理由」をすらすら箇条書きする名人だ。自分たちがやりたくないことの「できない理由」を箇条書きする名人なのと同じ要領で。
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