QBハウス1000円散髪は実質インフレ商品だ

野田首相がQBハウスに行ったわけ(アゴラ:池田信夫)

つまり国際競争が価格に直接影響するのは製造業だけですが、先進国の相対価格の低下(disinflation)は労働市場を通じてサービス業にも影響し、経済全体に波及するのです。いま日本で起きている「デフレ」の大部分は、こうしたグローバル化によって要素価格が均等化するdisinflationであり、サービス業でもQBハウスのような「価格破壊」が起きて内外価格差が縮まっています。1000円というのは、ニューヨークの床屋とほぼ同じ「国際標準料金」です。

池田信夫氏が実際にQBハウスに行ったことがあるか知らないけれど、これは「デフレ」とも関係ないし、「価格破壊」とも関係がない。どちらかと言えば「価格破壊」に見せかけたインフレ・サービスだ。
QBハウスは10分=1000円で、髪を切るだけ、洗髪なし、髭そりなし。
もし、所要時間で価格を測るのなら、今時QBハウス以上に安い理髪店はいっぱいある。きちんと調髪し、洗髪し、整髪オイルをかけ、髭そりもしてくれて所要時間約30分でお値段は1500円から1800円。QBハウスの10分間あたりの料金からすれば500円から600円になる。待ち時間を含めれば500円以下だろう。これが日本の標準料金だ。地方に行けばもっと安い理髪店もあるだろう。今や調髪料金3000円〜4000円というのは都会の一部を除いてとっくに廃れている。高級ホテルのラウンジのコーヒー料金とスタバのコーヒー料金を比べて価格破壊と言っても始まらない。
QBハウスは言わば2割値上げしたチーズの分量を2割以上減らして売り、実質値上げしているようなものだ。それでも客が来るのは別の理由、「時間を買う」人がいるからだ。シャンプーや髭そりは自分でやるから余った20分以上の時間をもっと有意義に使いたい人々の需要に応えているに過ぎない。忙しい野田佳彦新首相もその一人であり、プラス見かけの庶民性アピールという見えないというか、見え見えのメリットがあるためだろう。
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