ヒッグス粒子はエーテルへの先祖返り?

ヒッグス粒子、発見近づく 国際合同チーム発表(中日)

蓄積したデータをグラフ化したところ、両チームともほぼ同じ位置に、ヒッグス粒子を示す部分が見つかった。アトラスチームのデータが正しい確率は98.9%。物理学上の発見は99.9999%以上が求められる。確定にはデータをためることが必要。実験のペースを3倍にあげ、来年前半には結論が出るという。
同粒子は宇宙誕生の100億分の1秒後に、すべての真空を満たすように宇宙全体に広がって「ヒッグスの海」をつくったと考えられている。それまでクォークレプトンなどの素粒子は、重さがなく真空中を光速で飛んでいた。ヒッグスの海ができると水のような“抵抗”を受けて動きが鈍り、質量が生まれた。同粒子は今も空間を満たしているが、光子はヒッグスの抵抗を感じないため光速で飛べる。
ヒッグスの海の仕組みは、南部陽一郎博士と湯川秀樹博士の理論をもとに1964年、英国のピーター・ヒッグス博士が提唱。標準理論の大きな柱となった。さまざまな実験とよく合うため、ヒッグス粒子は実在するだろうと考えられてきた。だが、クォークなどの素粒子に比べて加速器の衝突で生まれる量が少なく、とらえることが難しい。

このニュース読んで連想したのは、今や文学ぐらいにしか登場しないエーテル

エーテル (aether, ether, luminiferous aether) は、主に19世紀までの物理学で、光が伝播するために必要だと思われた媒質を表す術語であった。現代では特殊相対性理論などの理論がエーテルの概念を用いずに確立されており、エーテルは廃れた物理学理論の一部であると考えられている。

けれど、

アインシュタインが相対性原理を最も根本的な原理として考えたのに対し、特殊相対性理論の基礎を造ったローレンツは相対性原理の根本がエーテルであると考え、「長さの収縮」や「時間の遅れ」に表されるように、物体の特性はエーテル中の運動により変化すると考えた。アインシュタインとの違いは、長さや時間について絶対的な基準を設けることを可能と考えるか否かである。これは物理哲学の問題であるため、決着はついていない。従って、エーテルの実在性は完全には否定されていないと言える。

とあって、まだ懸案事項だったんだ。ヒッグス粒子が公式に確認された暁には一般レベルでは「エーテル」という名が復活するかも。
ところで、その後、ヒッグス粒子を何らかの方法で露払いする技術ができれば、光の速さに近い光子ロケットも実現可能になるのだろうか。
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