大飯原発3、4号機は元々津波リスク低い

大飯原発再稼働、安全対策工程表を指示 政治判断と福井入りは先送り(SankeiBiz)

野田佳彦首相と枝野幸男経済産業相ら3閣僚は6日、首相官邸関西電力大飯原子力発電所福井県おおい町)3、4号機の再稼働を協議する3回目の閣僚会議を開き、再稼働に必要な暫定的な安全基準を正式に決めた。基準に盛り込まれた短期的な対策が適正に実施されているかを検証するほか、中長期的な安全対策について関電に実施の工程表の策定を指示した。
 政府は週内に安全性を確認した上で再稼働の是非を政治判断で示し、8日に枝野経産相が地元で説明することを目指していた。しかし、検証や工程表の策定に時間がかかるため、いずれも来週以降に先送りした。

大飯原発は1号機から4号機まで並んでいるが、同じ並びでも福島第一原発と違う。福島第一原発は6つの原子炉建屋が海岸沿いに真正面に並んでいて、津波が襲ってくれば枕を並べて討ち死にすることになるよう配置されていた。今から思えばバカな配置だ。しかも、整地面海抜10メートルしかない。
一方で大飯原発は三方を山に囲まれ、取水口のみ海面に向いている。放水口は少し山を越えた別の海面にある。古い1号機、2号機の基底部は標高10メートル、新しい3号機、4号機は16メートル。整地面は30メートルぐらいだ。
津波が上がって来るのは地図北東側に面した取水口しかないだろう。しかも、半島の先端に位置し、津波の主力は湾内に向かい、跳ね返った波も半島内側で跳ね返されるので、取水口を上がるのは余波だけで済む可能性が高い。
そして、3、4号機は1、2号機の上手にある。しかも、その間に津波の衝撃を防御する別の建物もある。仮に3、4号機まで津波が辿り着いても持っているパワーは相当に減殺されるだろう。また福島と違って原子炉建屋が角型ではなく円筒形で波力をまともに受けない。
このため、3、4号機に限れば、福島第一原発並みの津波による破壊事故を想定するのは難しい。地図や写真だけを見ても、全く違うと言っていいだろう。リスクを考えるのなら福島コピーのリスクでなく、まだ想定されていないもっと別のアプローチからリスクを考えるべきだろう。
大飯原発は、細長い半島の突端に位置するため、むしろ、直下型地震による陸の孤島化が懸念される。原発への陸からのアプローチは細長い半島の一本道。道路が寸断され、高圧電線もやられると想定すべきだ。
外部電源は陸上の高圧電線だけに頼らず、海底電線ケーブルも敷設してフェイルセーフにしておく必要がある。また陸が孤島化すれば過酷事故の場合、ロジスティックスを補給するのは空と海だけ。見学者用サイトなどは大型ヘリが何台も同時に発着できるようなヘリポートに改造すべきだろう。それでも、福井第一原発のように4基同時にやられるとどうにもならない。地形的に周囲が崖に囲まれているで放射性物質が滞留しやすく、封じ込め作業は絶望的に困難になる恐れが強いので1号機、2号機は廃炉にするしかない。
福井の原発の場合、冬季の北西の風問題があるが、それでも、少なくとも3、4号機は再稼働してもいいだろう。というかするしかない。ここが駄目ならもはや再稼働可能の原発は日本に存在しないだろう。
それでも駄目なら来月には世界最速の脱原発国誕生だろう。終戦ビフォーアフターの軍国日本から絶対平和国家への180度ターンも凄かったが、わずか1年余りで一気に54からゼロにするのは、それ以上だろう。あまり極端なことすると、まだ知られていない別のリスクがどこかで発生する。
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