巨大災害予測ラッシュと巨大予算列島強靱化計画

富士山麓から直下 活断層の可能性(NHK)

火山の噴出物に覆われた富士山の南東側の山麓から山の直下にかけて、活断層がある可能性が高いことが東京大学の研究グループの調査で分かりました。
研究グループは、大地震が起きた場合、強い揺れや土砂災害などで大きな被害が出るおそれがあると指摘しています。

この手の巨大災害予測のニュースは最近になって矢継ぎ早に発表されている。
「M7」首都直下型の恐怖!4年以内の発生70%…東大地震研(ZAKZAK)

東京大学地震研究所の平田直(なおし)教授(観測地震学)らが、マグニチュード(M)7級の首都直下型地震が発生する確率は4年以内で70%とする衝撃の研究結果をまとめた。これまで政府の地震調査研究推進本部地震本部)は地震発生確率を30年以内に70%程度としてきたが、東日本大震災地震活動が活発化したため、発生リスクが大幅に高まったというのだ。

敦賀原発下に35キロの活断層 産総研調査、従来は過小評価(福井新聞)

日本原電敦賀原発1、2号機の敷地を通る活断層20+ 件「浦底(うらぞこ)―柳ケ瀬断層帯」(浦底断層)は少なくとも全長35キロあり、マグニチュード(M)7・4程度と従来の想定の2倍以上に当たるエネルギーの地震を起こす可能性が高いことが5日、産業技術総合研究所の杉山雄一主幹研究員らの調査で分かった。
浦底断層の南部にある複数の断層が広域で連動する可能性もあり、杉山氏は「最悪の場合も考えないといけない」として、大規模な連動地震についても考慮すべきだとしている。

地震:想定に反し浅いプレート境界で発生 海洋研初観測(毎日)

発生が心配される東海・東南海・南海地震震源域のプレート(岩板)境界のうち、地震を起こすひずみがたまらないと考えられている浅い部分で、ひずみがたまり地震が起きていたことを、海洋研究開発機構(神奈川県横須賀市)の杉岡裕子研究員(地震学)らが初めて観測した。この部分のひずみが、揺れは弱いのに津波が大きい「津波地震」の引き金になっている可能性があるという。英科学誌ネイチャー・ジオサイエンス電子版に7日、論文が掲載された。
 古文書の記録によると、震源域の「南海トラフ」では684年から1946年まで巨大地震が、90〜150年周期で起きている。このうち1605(慶長9)年の慶長地震津波地震とみられる。

東日本大震災をきっかけにして注目が集まったから一斉に巨大災害ネタのラッシュになったのか。連続的に起きた東日本大震災の影響なのか「連動」という言葉がキーワードになって、いずれにせよ予測が大幅に上方修正されて格上げされている。
しかし、こんなに都合よく巨大災害予測が出て来るのにはそれなりにワケアリという感がある。3.11までは同じような巨大災害予測が進言されても華麗にスルーされていたのに今は掌を返したようにこれでもかと発表される。「とにかくインパクトのあるもの出せ」とどこかが号令しているかのようだ。
その割には、「辺野古沖基地は大津波で壊滅する」からやめようという話にはならない。浜岡原発は全部廃炉にしようという話にはならない。
一方で造ることには相変わらず熱心だ。一番熱心そうなのは、200兆円というこれまた巨大予算を使えという「列島強靱化計画」なるもの。
竹本直一関西21フォーラム賀詞交歓会(基調講演「列島強靭化論」講演録)「大阪復活」と「列島強靭化論」京都大学教授 藤井聡

では、日本を強靭化するとはどういうことか。現在日本は超巨大地震の連動の危機に直面しています。首都直下型地震、および東海・東南海・南海連動型地震です。これには200兆円規模の列島の強靭化が必要だと考えています。例えば各所に架かる橋でも、高度成長期に作られたものも多く、震度5程度の地震で落ちてしまうような橋もあります。重要な橋が一つ潰れてしまうだけでも、経済に与える影響は大変深刻なものになります。政府は財政破綻にも配慮しながら、財政金融政策を立てていかなければなりませんが、今後10年間で約200兆円規模の財政出動があれば、日本は確実に強い国になれるだろう、というのが我々の研究室で行っている研究の一つの成果でございます。

国債残高が1000兆円に迫っている中、こんな思い切ったというか思い切り過ぎる予算を使うにはそれなりに気前よく危機を煽らなければならなくなる。そして、煽ろうと思えば、いくらでも煽れるということが明らかになった。
けれど、その結果、国債メルトダウンを起きたら、一体どんな災害になるのやら。こちらの金融災害だって考えれば色々な「連動」で災厄が大幅拡大すると思うのだが。こっちの方の予測はなかなか出て来ない。
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