中国に配慮した自民党総裁選
中国外務省の洪磊副報道局長は26日の定例記者会見で、安倍晋三元首相の自民党総裁選出に関する質問に「日本の内政(問題)で、論評はしない」と述べ、直接的な回答を避けた。
首相在任中の対中姿勢に関する評価や今後の期待についても、洪副局長は、日本政府の尖閣諸島(中国名・釣魚島)国有化に対する中国政府の見解を示したうえで、「中日関係改善のための条件をつくり出すよう求める」と述べるにとどめた。
中国の「論評しない」はほぼ「諒とする」とイコールと見ていいのではないか。
総裁選で党員票では石破茂氏が圧倒したのに、決選投票では逆転というところだけが注目されているが、そんなことより元老議員が現役総裁を無理矢理引き摺り下ろしてまで立てた石原伸晃氏が固定票の多い議員はともかく党員票で大敗を喫したことの方が大きい。(参照)
◇〔1回目〕国会議員 党員 合計
石破茂 34 165 199
安倍晋三 54 87 141
石原伸晃 58 38 96
町村信孝 27 7 34
林芳正 24 3 27
党員38票というのは上位2人に比べて問題外。選挙前までは、一応安倍氏と2位争いということだったが、予想以上に票が伸びなかった感じだ。町村氏が最後まで降りなかったからこの程度だが、町村氏がリタイアしていたらもっと悲惨なほど大差がついていたろう。
これは、多分に「中国船尖閣侵入は自民総裁選妨害か」という選挙前にあまり口にしにくい問題があったように思える。派閥単位でしか考えない議員票はともかく、党員はそれなりに自制が働いているように思える。
あの石原慎太郎都知事の息子が間違って当選するのじゃないかという、中国側にしてみれば、とりあえず目前の懸念事項が杞憂で終わったのだからこの反応はまず当然なのだろう。中国は党員に感謝すべきである。
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