大間原発と島根原発3号機は完成させていい

「原発ゼロ」戦略、どこへ/上 核燃料サイクルを温存、「虚構」に逃げる政府(毎日)

政府の新方針「革新的エネルギー・環境戦略」は▽新増設は認めない▽再稼働は、原子力規制委員会が安全確認をしたものに限る▽運転開始後40年で廃炉にする−−の3原則で、30年代をめどに原発をなくしていく考えだ。ところが発表からわずか5日後、戦略そのものの閣議決定は見送られ「不断の検証と見直しを行いながら遂行する」に後退した。また新設とは別だとして、3・11前に着工していた青森県大間原発東京電力東通1号機、中国電力島根3号機の建設継続を容認。Jパワーは1日、大間原発の建設再開を表明した。

大間原発大間違い」がキャッチコピーになっているようだが、大間原発と、9割方工事が終わっているらしい島根原発3号機くらい完成、稼働させてもいいだろう。認めるべきでないのは東電の東通1号機ぐらいだろうか。
地震津波のリスクを考えると、現在の原発計50基のうち、太平洋岸に立地する原発14基の再稼働は今後も難しいだろう。とすると、太平洋岸を除く原発は36基になる。
さらに原発銀座の福井県にある原発13基も「もし福島第一原発並み事故が福井原発で起きたら」トンデモない大きなリスクを抱えることになるので、なるべく稼働させたくない。福井県の場合、リスクの大きさから複数基ある原子炉のうち同時稼働はせいぜい半分にしてリスクを抑えるしかない。
しかも福井の13基のうち8基は耐用年数40年無条件廃炉方針に従えば2020年までに廃炉になる。残る5基は敦賀1基、高浜2基、大飯2基だけだ。「なるべく稼働させたくない」原則に従えば、同時稼働できるのは各発電所1基ずつ、3基。しかも定期点検を考えれば2基が限界だろう。現在、全国で大飯3、4号機が稼働しているが将来的にも福井では2基の同時稼働しか見込めない。
他の40年廃炉予定4基を加えると2020年には稼働可能原子炉は24基。そのうち柏崎刈羽のように7基ある原発もあるが、7基のうち新潟県中越沖地震によるトラブルで3.11以前に運転を再開できたのは1,5,6,7号機のみ。問題の3基を引くと21基になる。ひところの54基に比べると約4割になってしまう。
しかも、「なるべく稼働させたくない」原則からすると、稼働率はひところより著しく低下することは避けられない。同時稼働可能ベースではせいぜい10〜15基ぐらいだろうか。否が応でも3.11以前に比べて一気に3分の1以下に縮小せざるを得なくなり、いくら何でも急速過ぎる脱原発だ。
とすると、大間原発と島根原発3号機は完成させてもいいのではないかと思われる。大間原発はかろうじて太平洋岸とは言えない津軽海峡に面しているので日本海溝で再びプレートがずれても巨大津波の直撃される可能性は相対的には低い。島根原発も太平洋岸ではない。一部に「2030年代までに原発ゼロにするという政府目標に反する」という批判もあるが、日本の最新の原発は2009年完成した泊原発3号機で、これだって2049年まで稼働はできて政府目標よりオーバーランしている。他にも2030年代までに原発ゼロ目標をオーバーしているのは東北電力東通1号機(2005年運転開始)、女川3号機(2002年)、浜岡5号機(2005年)、志賀2号機(2006年)と計5基ある。原発ゼロというのはあくまで大雑把な目標なので、例外は想定内だろう。もはや居直ってもう2基だけ完成させても罰は当たるまい。極端から極端にぶれることが一番拙い。
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