岡本行夫氏の浮世離れした尖閣観

昨日の報道ステーション見ていたら外務省元課長の岡本行夫氏が「中国はどうも本気で尖閣を取りに来ていると思うようになった」と発言して、さすがに驚いた。
「中国が本気で」の部分ではなく、今頃になって「思うようになった」という部分に驚いた。
中国が毎年毎年尖閣奪取に向けて圧力を強めていることは誰にでも分かる筈だが、岡本氏は同番組で中国が尖閣領有権を声高に主張しているのは「中国内部の格差などの不満の問題をガス抜きするためのものだと思っていたが、どうもそうではないらしい」とまで言っているのだ。「公船が何度も何度も尖閣の領海侵犯しているのは、アメリカに対して尖閣を実効支配しているのは中国だと見せつけたいようだ」と語り、アメリカの日本が施政権を持っているから日米安保の適用範囲内だという主張をなし崩し的に無効化しようとしていると言いたかったようだ。
呑気な話だ。そんなこと今になって気付くようなことなのか。誰が見ても、それ以外考えられないことは明らかなのに。
中国が単純に国内問題のガス抜きに尖閣諸島問題を利用しているだけではないことは、中国がフィリピンやベトナムに対しても同様な圧力を強めていたことを考えれば明らかだろう。日本に圧力をかけるのは、ある意味ガス抜きになるかもしれないが、フィリピン、ベトナムをいじめて何のガス抜きになるのやら。
ところが、岡本氏は脳天気にも、今の今までそうは思っていなかったというのだ。まるでお公家さんのように浮世離れした人だ。
浮世離れしていると言えば、岡本氏の現在の肩書も浮世離れしている。現在はマサチューセッツ工科大学シニアフェローというよく分からない肩書。とにかくこの人は十一面観音のように色々な肩書を持っている。内閣府沖縄米軍基地所在市町村に関する懇談会委員、電通総研客員研究員、富士通総研特命顧問、小僧com株式会社アドバイザリーボードメンバー、日本フラッグフットボール協会代表理事、財団法人東京財団評議員、財団法人日本教育科学研究所理事、福島県しゃくなげ大使等々。いやはや天下り十一面観音のような人で、専門である筈の外交問題も浮世離れしているようだ。
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