日本だけリーマン・ショックから回復していないという幻想

石原、林氏入閣へ 甘利氏、経済財政担当相も兼務(産経)

新設の「経済再生担当相」への就任が内定している甘利明政調会長は経済財政担当相も兼務する方向だ。

その、甘利明政調会長、どんなこと言っているかと言えば、
産経によると、

甘利氏「リーマン・ショック前の国民総所得は530兆円あったが今は480兆円だ。政権交代以降戻っていない。政権を取り戻したら内閣に『日本経済再生本部』を設置し、失われた国民所得50兆円の奪還プロジェクトを始める」

のだという。
2008年半ば、1ドル=106円だった。ドルベースだと530兆円は5兆ドル。今の480兆円は1ドル=80円とすると、6兆ドル。ドルベースでは、失われたどころか増えているのだ。今や国民消費は何も国内消費とは限らない。現に海外旅行者は増えている。外貨預金だって増えているだろう。そもそも、リーマン・ショック以降、日本の通貨、円だけが一人勝ちしているのだ。
もし、円ベースでも「奪還」するために円安誘導したら、単純計算では1ドル=96円にするとちょうど5兆ドルになる。多分、円ベースの国民所得は増えているので530兆円に回復しているかもしれない。あくまで名目だけれど。逆に言えば、1ドル=106円にしなくても国民所得は「奪還」できるということは、それだけ日本も回復していたことになる。
そもそも円安誘導なんかしなくても、原発停止状態が当分続けば何もしなくても円安になるのだけれど。
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