北極海の年間海氷最大面積がそれほど減らないワケ

今年の北極海の海氷面積は14276563km2でピークを付けたようだ。これは10年前の14844063km2よりわずかに小さいだけで2003年以降だと過去7番目の大きさ。これだけ見ると、海氷面積はそれほど減ってないように見えるが、年間最小面積では観測史上最小を記録した昨年の3489063km2で2003年の6032031km2に比べて57.8%まで大幅に減っている。なぜ、最大面積と最小面積の減り方にこうも差が出るのか。
一つには北極圏は冬季に太陽光が降り注がないために海氷が出来やすいことがある。これがために夏期に空いた海洋部分の海氷面が凍って取りあえず海氷面積は回復する。
しかし、海氷を溶かす要素として海水の温度があり、これは暗闇の冬とて溶かす方向に作用する。もちろん、夏期に比べて海水温が低いので溶かす力は衰えているが、海氷の厚みをますまでには至らない。
このために太陽も海水も一斉に溶かすエネルギーに晒される夏期では薄っぺらく面積が回復した分、溶け方が急速になる。
結局、最大面積があまり減らないのはあくまで二次元的な面ベース。体積ベースでは最大面積期でも年年減っているようだ。体積ベースの現象は本質的な冷温貯蔵庫の崩壊を意味する。
実際、同じ海流でも暖流は平均以上に温かくなっており、冷却源が小さくなれば、さらに暖流が温かく流れ、異常気象に拍車をかけそうだ。
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