一粒で三度美味しくなった靖国神社参拝

靖国参拝批判に首相「わが閣僚はどんな脅かしにも屈しない」(産経)

安倍晋三首相は24日の参院予算委員会で、安倍内閣の閣僚らの靖国神社参拝に中国や韓国が反発していることに関し「国のために尊い命を落とした英霊に尊崇の念を表するのは当たり前だ。わが閣僚はどんな脅かしにも屈しない。その自由は確保している。当然だろう」と述べた。
首相は韓国が反発していることに「靖国の抗議を始めたのは盧武鉉(政権)時代が顕著になったが、それ以前はほとんどない。なぜ急に態度が変わったかも調べる必要がある」と強調。
中国に対しても「A級戦犯が合祀されたとき、時の首相の参拝に抗議せず、ある日突然抗議をしはじめた」と不快感を示した。

追加すれば、これまで靖国神社参拝が政治ネタになっていたのは8月15日の終戦記念日にほぼ限られていた。春の例大祭、秋の例大祭で騒がれるようになったのはつい最近のこと。
実は歴代首相の靖国参拝自体、歴代首相の靖國神社参拝(回数)を見ると、8月15日に参拝するのは歴史的に新しい。
戦後初めて8月15日に参拝したのは何と1975年の三木武夫だ。それ以前はむしろ春秋の例大祭、もしくは首相就任直後の参拝が多い。つまりそれ以前は8月15日首相参拝という慣習自体がなかったのだと思われる。
しかし、三木を嚆矢にして以後、福田赳夫、一人置いて鈴木善幸(3年連続)、中曽根康弘(3年連続)、一人置いて小泉純一郎。小泉も政権末期の2006年の一回のみだ。それ以降、8月15日参拝は途絶えている。
この間、1978年にA級戦犯合祀が行われたのだけれど、今回の騒動の主役クラス、みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会も1981年にできたもので、合祀と合わせた動き。
首相の参拝は三木の頃から私的参拝4条件なる妙チクリンなことが言われていた。当時はまだ政教分離の観点から批判されていたのだけれど、一度火が点くと騒ぎに合わせて理屈が延焼拡大する。いつの間にか中韓の刺激ネタになってしまい、それが大きくなると政教分離そのものはそんなに問題にされなくなった。今度は春秋の例大祭まで刺激ネタとしてクローズアップされ、批判する側は年に三度批判できるチャンスが増えたことになる。そして、首相と外相及び官房長官は参拝しないという中国主導の“紳士協定”なるものも反故にされてもうこれからはとにかく閣僚、有名国会議員なら何でもアリな状況になりそうだ。何か尖閣諸島問題に似て来ていて、靖国参拝という“実効支配”も危うくなりつつある。
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