野々村元県議を笑えない霞が関の地熱発電事業

平成26年度地熱開発理解促進関連事業支援補助金〜全15事業を採択〜

経済産業省は、本日、地熱開発理解促進関連事業(二次公募)について、別添のとおり15件の事業の採択を決定しましたので、お知らせします。

これを伝えた日経新聞の見出し。

地熱発電補助金、新たに15件採択 住民への説明費用

けれど、経済産業省ニュースリリースには「地熱発電補助金」なんて書かれていない。あくまで「地熱開発」だ。15件を見ても「地熱発電」という文字が出て来ても「理解」されるのが目的。はっきり「地熱発電事業を立ち上げを目指す」とかははほとんど記されていない。出てきても「温泉発電」とかバイナリー発電とか元々温泉事業とバッティングしそうにない小規模地熱発電だ。

1.北海道中標津町「発電後の熱水を活用したハウス栽培事業等の検討」
8.和歌山県田辺市白浜町「発電後の熱水を利用した養殖事業の検討」
9.兵庫県新温泉町「発電後の熱水を有効活用している先進地域を視察し、さらなる地域振興事業の検討を行う。また、その結果について広く共有するための報告会を開催することで、地域における地熱発電に対する理解をより一層深める」
10.同「温泉熱を利用した街灯システムの導入や、足湯・消雪システムの設置を行うことで、地域における防災機能強化や利便性の向上を図り、地元住民の地熱発電に対する理解を促進する」
11.大分県別府市「発電後の熱水を活用した地域振興を実施するため、農業ハウス、足湯、蒸し釜等の地熱利用の設備を整備し、地域の地熱開発に対する理解促進を図る」
12.大分県日田市「天ヶ瀬温泉地域において温泉発電事業を実施するため、天ヶ瀬温泉旅館組合、日田市役所等で構成する事業調整会議を設置し、温泉発電技術についての情報収集、先進地視察等を行うことにより、地域における地熱開発に対する理解促進を図る」
13.大分県九重町バイナリー発電からの熱水を近隣の温泉旅館に供給するための配管等を整備する。このような地熱の有効利用を通じて、地域における地熱発電に対する理解促進を図る」
14.同「更なる中小規模のバイナリー発電の事業化のため、今年度は発電後の熱水利用による温泉管理などを中心に、勉強会や先進地視察等を実施することで、地域における地熱発電に対する理解促進を図る」
15.鹿児島県指宿市「山川発電所の周辺で熱需要があるハウス園芸農家等に余剰熱を供給する配管等を整備し、発電所からの余剰熱を供給することによる地熱の有効利用を通じて、地域における地熱発電に対する理解促進を図る」

そのうち15の山川発電所は既存の本格的発電所。後は「理解を進める」と称して視察旅行、足湯だの養殖事業だのと別に地熱発電と無関係にできそうな事業ばかり。
おまけに地熱発電環境省主体のものもあり、バッティングもいいところ。環境省が音頭を取った「小浜温泉バイナリー発電所」は「実証実験」と称する視察ツアー「小浜温泉ジオツアー」の期間が過ぎてもなぜか肝心の事業化はいまだ検討段階という。まるで「視察旅行」の受け皿のための「実証実験」だ。
ほとんど経産省環境省が無用の張り合いをして補助金バラマキ競争に熱心なだけに見える。たかが小規模地熱発電事業ですらこの体たらくだから中規模、大規模となればお先真っ暗な気配。これじゃ城崎温泉を何度も何度も「視察」した野々村竜太郎元兵庫県議を笑えるのかというレベル。
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