CO2排出「実質ゼロ」より「実質マイナス」を目指すべき

温暖化対策の新枠組み「パリ協定」を採択 COP21(朝日)

「今世紀後半に温室効果ガスの人為的な排出と吸収を均衡させる」ことも目指している。

COP21「パリ協定」を採択(NHK)

世界全体の温室効果ガスの排出量をできるだけ早く減少に転じさせて、今世紀後半には実質的にゼロにするよう削減に取り組むとしています。

「実質ゼロ」とは海洋や陸上植物が吸収する量と化石燃料起源のCO2を差し引きゼロにすることだが、これで大気中の二酸化炭素が減る訳ではない。「多分、増えない」程度だ。仮に「実質ゼロ」を達成したとしても、むしろ増える可能性は引き続き継続する。
現在、陸上植物によるCO2による吸収量は11Gt、海洋による吸収量は9.5Gt。合わせて20.5Gt。一方で化石燃料による排出は33Gt、ランドユースチェンジ(LUC)による排出は3.3Gt。差し引き16.1Gt(になる。参照)
普通に考えれば排出分33Gt+3.3Gt≒=36Gtを16Gtにまで(約56%減)にすれば均衡すると思われる。今春「温暖化ガス、2050年に40〜70%削減必要 IPCC 現状のままなら気温3.7〜4.8度上昇」と報告されたのもこれを根拠にしている。
しかし、自然生態系が相手なのでそう簡単に問屋は卸さない。まず人為的CO2排出が減るにつれて海洋や陸上植物もそれに感応して吸収量を減らす。減らすと「実質ゼロ」に減らしたつもりでも「実質ゼロ」にならず、イタチごっこになる。さらに「CO2排出量低下見込みでもppm増加量は下がらない」、「CO2減らしてもCO2増え続けるメカニズム」の罠が待ち受けている。実際に「実質ゼロ」にするには「実質マイナス」にしなければならないことを覚悟しておく必要がある。
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