息を吐くように嘘を吐く再エネ否定デマゴギストを参考人に呼ぶ国会の劣化

石川和男「バッテリーと言うと揚水発電があるというんだけど、あのさあ、揚水発電所の周りに風力とか太陽光とか設置できねえよ。揚水発電がバッテリーだという意見があるんだけれど、太陽光とか風力発電揚水発電に集めるうちに(送電)ロスして消えちゃうよ」

これはのけぞってしまうくらいトンデモ。発言した本人が本気でそう考えているのかどうか不明だが、そんなことはどうでもいい。「息を吐くように嘘を吐く」人がいるとよく言われるが、そんな人間が嘘を吐いている自覚があるかどうかなどこの際、どうでもいいことだ。詮索すること自体ナンセンスだ。そもそも言っている本人が正誤の判断などどうでもいいのだろうから。
彼は不安定電源である風力発電太陽光発電の「過剰発電量」を蓄電するには揚水発電の周りに設置しなければ無理と言い放ったという事実が問題だ。これを本気で考えているとしたら自称「電力問題の専門家」石川和男は電力に対して素人以下の無知蒙昧であることが明確に証明された。
そのことすら本人にはどうでもいいことなのだろう。専門家という看板だけが問題であって中身など最初からどうでもいい世界、大衆を自分達の有利なように思い込ませることに成功すればOKな世界のだから。
当然、揚水発電所がどんな山奥に立地していて送電ロスが大きかろうがなかろうが太陽光や風力の発電能力の多寡、不安定性とは全く何の関係もない。言わずものがのことだ。石川は風力や太陽光専用の送電線をわざわざ、しかも個別に揚水発電所まで引かなければ蓄電できないと思い込んでいるらしい(笑)。
電力が過剰かどうかは全体の電力系統の問題で過剰電流は個別電源の問題ではない。太陽光や風力の個別送電ロスが問題ならそもそもそんなちょろい電源最初から作られないし、ましてやそんなしょぼい電源で「過剰電力」など発生しようもない。
ましてや石川の言うように「効率的な蓄電池ができるまで無理」と言うほど蓄電池にさえ貯められる発電量さえ確保できないであろう。
それにたたみかけるように石川のトンデモが続く。

「商業ベースで売れる蓄電池ができない限りは再エネはベース電源にはなりえない」

およそ世界中を見渡して不安定電源の再エネをベースロード電源にしようとする発想は寡聞にして聞かない。発想そのものがナンセンスだからだ。石川はベースロードの意味すら知らないのだろう。と言うか、電力に関しては様々な日本だけ経産省御製の特産品、ガラパゴス定義があるのだろう。
ちなみにそんな蓄電池ができるのは石川によると「曾孫の世代」まで待たなければならないそうだ。「曾孫の世代」なんて人によって想定が違うので、いったい何年後のことか知らんが、たとえそれが半世紀後だろうが22世紀であろうが日本の全ての電力需要を全て蓄電池で賄うという発想自体がお花畑だ。そんな夢の蓄電池が仮に実現してもまず使われるのは電気自動車であって系統電力ではない。そもそもそんなに待っていれば地球そのものが人類存亡の危機になっていて曾孫の世代が生存できるかさえあやしい。
なぜこんなトンデモをまき散らすかと言えば、ひとえに再エネで一番有力な風力、太陽光の封じ込め作戦の一環だ。そのためには世界最大規模の揚水発電所があたかも日本に存在しないように脇に置いておかなければならない。実際、

2014年11月、経済産業省は同省が実施した集計により、2013年度の揚水発電所設備利用率が全国でわずか3%にしか達していないことが判明したと発表した。
日本国内に40ヶ所以上、総出力2,600万kwと世界最大規模の施設がありながら、100%フル稼働で運転したと仮定した際の発電量と実発電量を比較したところ設備利用率がわずか3%で、2010年以降の利用率はほぼ横ばいのままほとんど変化していないことがわかった。この3%という値はアメリカやドイツの利用率10%と比較すると非常に低い値である。

と事実上存在しないかのような扱いをされている。ちなみに貯水量と利用率は直接関係ないし、ドイツなどはそもそも日本ほど降水量がないので貯水量を大きくしておかなければならないことは無視されている。そうでないと補給が効かない。そんなこともあって、ドイツではわざわざ海底電線ケーブルをノルウェイまで敷いて2018年からノルウェイ揚水発電所に蓄電を委託する計画までしている。一方の日本は揚水発電を“自給”できるのに使わせないように仕組まれているのだ。
他に考えられる「できない理由」は多分、「太陽光発電量が増すと春秋に揚水発電しなければならず、改修期間がなくなり、需要が多い夏、冬に使えなくなる」だろうか。いずれこの人の口から出てきそうな気がする。もう他のところで言っているかどうか知らんが。
一方の安定再エネ電力も水力は「もう立地場所ないです」。挙句は、


これにて再エネ電源完全封じ込めキャンペーンが完成する。めでたし、めでたし。何のためって、そりゃあ、大手電力会社の影響力を減ずるわけにはいかんもんね。要は「日本は温暖化鎖国」で一番居心地がいいと思っているお花畑な人々。
これらの発言は、国会の衆議院経済産業委員会参考人として発言しているのだから、そもそも国会の参考人ってどうやって人選しているのか。よりによって衆議院ばかりか19日の参議院経済産業委員会でも参考人に選ばれているのだから呆れるしかない。
恐らく裏で推薦したのは古巣の経済産業省でそれまで参考人に出ていた澤昭裕(この人もトンデモだった)が今年1月死亡したためお鉢が回って来たのだろうけど、それじゃお手盛り参考人じゃないか。しかも、トンデモの引き継ぎ。こんな国会運営だと法案そのものまるごとお手盛りで成立してしまうことになる。
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