ホリエモン≒杉田かおる――あるいはセレブランド資本主義

杉田かおるの最近の活動を見ていると、ホリエモンとともになぜかLeveraged Buyout(LBO)とかGreenmailとかSpeculationとかの金融用語を連想してしまう。
もはや常識かもしれないけれど、芸能人がくっついたり離れたりしているのは、プライバシーではなくビジネスなんですね。今では「プライバシーを売り物にする」という言い回し自体が陳腐化してしまっている。
「芸能人は芸が命」という古典的な命題の重力圏から脱して「芸能人は名が命」という時代になったのは恐らく1980年代頃からか。
それ以前は芸を礎にして名を上げるという至極真っ当だった。このことは基本的には今も同じなんだけど、それだけじゃ駄目なんです。移り変わりの激し過ぎる今の時代、とても基本の芸だけでは名を維持するのはよほどの確固とした名がなければ難しい。情報量が多くなった分、賞味期限も短くなる。
現在の芸能人の主戦場はワイドショー並びにワイドショー化したニュース番組。ここでどれだけexposureのshareを取るかにかかっている。
杉田が負け犬の空売りで大儲けして、底値になったところで劇的セレブ婚で杉田株は急騰。天井を突いたところで7ヶ月スピード離婚で再び空売り
この人は度重なるイッテコイでどれだけ儲けたのやら。ほぼ半年ごとに仕掛けてまんまと成功しているように思える。裁判沙汰になれば、きっと得するのは杉田の方。定期的に話題にされることが公的に保証されるんですから。
情報化社会では、限りなく名前≒資本なんです。
そこでまあ、大層にもこれを
セレブランド(Celeb+Brand=Celebrand)資本主義
とでも名付けておきましょう。
ここまで考えると、同じく裁判沙汰になってフジテレビと死闘を繰り広げたホリエモンも杉田的セレブランディズムの精神をよく心得ておられるとしか言い様がない。ま、スケールにおいては当然ホリエモン>>>>杉田なんですけど。
思い返せば、ホリエモン近鉄球団買収劇で世間という一部上場セクターに登場してから、まだ1年余りしか経っていない。その頃には既にライブドア株は分割&M&Aで急騰していたわけだけど、もう一方の資本=名前=セレブランドにおいてはまだマイナーな存在でしかなかったことは「俺が知らん奴をプロ野球界に入れるわけにはいかんだろ」というナベツネ発言が象徴しています。
あれから1年余り、今や小泉総理が敵の刺客に自ら白羽の矢を立てる時代になった。株価的に言えば1年で100倍になったと言っても過言でない、これは凄まじい成長です。目指せ時価総額世界一氏の面目躍如です。彼もまたほぼ半年ごとに仕掛けをしているのも共通点ではある。まさか信用売買の期日も概ね半年であることと関係してたりして。
さて、問題はこのような新興セレブランド資本が伝統的ブランドに対抗し得るかどうか。つまり自らが自転車操業的に仕掛けをしてセレブランドを吊り上げるのはいいが、持続性を持ち得るかどうか――ということかと。
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