阿蘇の野焼きもうやめたら

阿蘇山の「米塚」に亀裂 お椀を逆さにしたようなミニ火山【熊本地震】(Huffington Post)

米塚は、標高954メートルで高さ80メートル。裾野の直径は約380メートルで、頂上に直径約80メートルの火口跡が残る。噴石が積み重なってできた火砕丘で、約3千年前に形成されたとされる。

阿蘇山の中央火口丘、外輪山、さらに別府へのやまなみハイウェイと緑の絨毯が続くコースは阿蘇観光のハイライト。これは毎年春に行われる野焼きによる手入れで維持されている“人工草原”だ。野焼きがなければほとんどは森林になっていた筈だ。
土砂災害、薄く幅広く 阿蘇山周辺57カ所、火山灰影響(朝日)

熊本地震では国土交通省のまとめで17日までに阿蘇山周辺など計57カ所で土砂災害が確認された。16日未明の本震がマグニチュード(M)7・3と規模が大きく、崩れやすい地質だったことが原因とみられる。専門家は二次的な災害の可能性を指摘している。

阿蘇山の表層崩壊は今に始まったことではない。“緑の絨毯”をよく見ると、あちこち赤茶けた崩壊跡も見られる。単に火山灰と軽石の層で崩壊し易いのではなく、そもそも雨水を吸収する森林がなく、より表層崩壊し易いのではないか。
阿蘇土砂災害対策検討委員会 報告書

<具体的な取り組み案:カルデラ壁上部の原野の藪化> 人工的に藪化を進める方法として、以下の方法が考えられる。 【人工的に藪化を進める方法】 ○ 沢部は敢えて野焼きを行わず、自然に藪化を促す。

と野焼きを一部でやめることで土砂崩れ防止が提案されている。
この際、外輪山ばかりかもう米塚を含めて野焼きをやめればどうだろうか。一部の放牧地、観光スポットとしては草千里ぐらいは例外として。
この膨大な草原を放置すればやがては藪原になり、さらには森林化する。表層も今よりはしっかりするだろう。
その過程で膨大な大気中のCO2が吸収され、地球温暖化防止の一助にもなる。なにしろ、日本は2050年までに温室効果ガス排出量を現在に比べて8割削減するというほとんど不可能とも思えることに挑戦しなければならない。放置するだけでかなりの部分が削減できるのだから、もう何でもするしかない。阿蘇の草原は捨てがたい風景なのだけれど。
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