痛い日本、痛い竹中平蔵

日経ネットPlus:竹中平蔵教授のオフィスアワー:後退ニッポン、怒る海外投資家 先々週はロンドンに4日間、先週はニューヨークに5日間出張し、投資家たちと議論してきた。東京株式市場の取引のうち6割以上は海外投資家が占め、彼らの見方を知ることは、日本の市場動向を考える上で極めて重要である。
こういう書き出しだと、当然海外投資家の生の声が紹介されているものだと思ったら、不思議にも生の声など全くない。
海外の主力投資家たちは今や日本経済の先行きに対して「厳しい評価」を通り越して「怒り」を感じているようだ。
「ようだ」なのだ。後は改革がなぜ遅れているのか質問されただけ。
竹中氏が「怒り」を感じた根拠というのは、出張先のロンドン、ニューヨークの投資家の生の声などではなく、「JAPAiN」(痛い日本)と2ちゃんねる風用語を使ったエコノミスト誌の日本特集なのだ。
ということは、生の声は大したものじゃなかったのだと逆読みできる。あるいは本音は無関心で、元大臣が来たということで儀礼的に質問しただけなのかもしれない。つまり竹中先生自身が敢えて熱心に問い詰めるほどの人物と見られていないということだろう。竹中先生自身が竹中パッシングされた可能性大だ。
竹中氏は「日本経済を後退させた3責任者」の一つに日銀を挙げている。しかし、エコノミスト誌は日銀の低金利政策を批判している。竹中氏は金利引き上げに反対していたはずだ。少なくとも1年前までは。
実際、日本の株が諸外国に比べて下落が酷くなったのは、日銀が昨年の2月を最後に利上げをしなくなってからだ。結局何だったのだろう。
「日本売り」や「ジャパンパッシング」というのは、いかにも海外の投資家が日本に見切りをつけたように思われているが、そんな証拠実はどこにもない。実際には「日本発」の可能性が高い。
エコノミスト誌が書いていることも、既に日本国内で流通している言説をなぞった以上のものはない。日本のジャーナリストがアメリカ経済を取材するのに現地のジャーナリズムを参考にするのと同じだ。ところが、竹中氏ときたら、日本発のものを孫引きして「海外投資家は厳しい視線を日本に向けている」と書くのだから何をかいわんやだ。
この手法は「外圧を利用して国内政治をコントロールする」という毎度お馴染みののものだ。けれども自意識過剰で自主性のない自虐的日本人には受けるから困る。
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