ブレットローンは第2のサブプライムローンになるか?

日経平均、12日続落　終値27円安の１万3237円(日経) マンションの販売不振の長期化懸念から野村不ＨＤなどマンション関連株が売られた。東証株価指数(TOPIX)は小幅に８日続落だった。続落記録は2007年11月2―13日(8日続落)以来。日経平均の12日続落は1954年4月28―5月18日(15日続落)以来、54年ぶり。
3日連続日経平均のことを書く羽目になるとは思わなかった。まず昨日の復習。
1954年4月27日終値:351.67円
1965年3月2日終値:323.92円
15日間の下落率7.9%。
12日間に単純換算の下落率6.3%。
1953年5月20日終値:350.88
1953年6月3日終値:321.79
12日間の下落率8.3%。
同じ12日続落でも、
2008年6月18日終値:14,453円
2008年7月4日終値:13,237円
今回は8.4%の下落率。
ついに未踏の領域に入った感じ。印象的にはジリ安なので、パニックにはなっていないようだけれど、なんとなく反発しそうで反発せず、ジリジリ下げている時が一番怖い。まだセリング・クライマックスが起きていないということだろうから。
そのことで、つい最近のこの二つの記事読むと不気味。
欧州、0.25％利上げ　総裁、追加利上げ言及せず(日経) 欧州中央銀行(ECB)は3日の定例理事会でユーロ圏15カ国に適用する政策金利を引き上げることを決めた。上げ幅は0.25％で最重要の市場調節金利を9日から年4.25％とする。利上げは昨年6月以来、13カ月ぶり。トリシェ総裁は「物価安定が成り立つ水準を超えた」ことを利上げを決意した理由と説明した。域内の6月の消費者物価上昇率は前年同月比で4％と99年の通貨統合以来の水準。2007年9月から政策目標である「2％未満」を上回っている。
ロンドン株大幅反落　金融・不動産株が全面安(同) 英住宅金融大手のネーションワイドがまとめた6月の英住宅価格が、8カ月連続で下落したことが嫌気され、大幅に下げて推移している。
EUバブルでも触れたが、英国と大陸欧州とでは微妙に違いはあれど、いよいよ欧州バブル崩壊か。とすると、以前書いた円建て住宅ローン債権大丈夫なんだろうか。
2年前に書かれた記事だけれど、
本石町日記:「外銀の謎」、第二弾＝欧州で流行る『円建て住宅ローン』ある日銀幹部は春先、欧州で開かれた金融会合に出席した。その場で欧州各国の中銀関係者が話題にしていたのは、低金利通貨建ての住宅ローンが欧州各地で伸びていることだった。具体的には、円やスイスフランなど低金利通貨建ての住宅ローンがかなりの勢いで増加しており、一部の国では中央銀行がそのリスクを懸念するリポートを出している、という。
その要点の要点は、
・外貨の内訳は、大半がスイス・フランと日本円で、前者が首位
・低金利通貨高・ユーロ安になると借り手は返済負担が増大するリスクあり
・融資の大半はbullet loans※であり、借り手は返済対象資産（＝多分不動産）の価格変動リスクも抱えている
・銀行側は為替変動が借り手のデフォルトの可能性を高めるというリスクを背負っている
・銀行側はまた、為替変動によって（借り手のデフォルの可能性が高まる結果）地域的に集中した流動性の乏しい（不動産）担保を累積的に抱える恐れがある
※Bullet loan-wiki a payment of the entire principal of the loan, and sometimes the principal and interest, is due at the end of the loan term.
Financial Dictionary A euromarket term denoting a single-repayment loan with no amortisation; that is, a loan that is not paid off in instalments.
手元の英和辞典にもあった。満期一括返済融資。返済期限前に元本の分割返済を行わない融資。
つまり、借り手は元本を満期まで返す必要ないし、場合によっては金利さえ満期まで支払いを猶予されている。何かその、形式は違うけれど、虫のよさという点でサブプライムローンと同じ臭いがする。
日銀が延々と政策金利引き上げないものだから円キャリー取引で2年前より多分、バブルが膨らんでいるんじゃないかと思う。対ユーロではちっとも円高になっていないし。もし、崩壊したら、不動産だけでなく日本の銀行にも文字通りbullet＝弾丸が直撃することになるんだろうか。サブプライムローンの場合はまだ半ば対岸の火事風だったけれど。
そもそも欧州中央銀行が金利引き上げざるを得なくなったのも、日銀が動かざること山の如しなので、あっちから動くしかなかったということだろう。もう運命は決まった感じがしてきている。
Clickで救えるblogがある⇒