X-ファイル:真実を求めて

xfilemovie公式サイト。原題「THE X-FILES:I WANT TO BELIEVE」。クリス・カーター監督、デヴィッド・ドゥカヴニージリアン・アンダーソンアマンダ・ピートビリー・コノリーXzibit。予備知識なしに見る前に期待したことはズバリ宇宙人と人間の合体手術。宇宙人解剖ビデオだって出回っていることだから。けれどその期待は見事に裏切られた。
鋭利な刃物で切られた腕が発見された時点でキャトルミューティレーションのにおいがプンプンする。けれど、次の事件で誘拐するのは人間だから興醒めというか戸惑う。一体、落とし所はどこなんだろう。
ほとんで全編にわたり雪に覆い尽くされたシーン。「ミスト」のように白で隠せば不可思議さを演出できるというものじゃないだろ。大体、雪が解ければ発見されるに決まっているのにポイ捨ては杜撰だなあ。それを見つけるために霊視能力者を登場させるのは反則ぽい。しかも、その神父がカソリックで少年性愛前歴者で、被害者とシンクロニシティしていてと、何でもかんでもくっつけて「神が」「懺悔が」としつこい。
あのスカリーが受け持つ難病の少年の手術も、フランケンシュタイン化の手術と重ね合わされていて、またも神の問題でスカリーが悩むのだけれど、この人、異常事態なのにあれこれ悩みすぎる。そんな暇ないだろうが。重ね合わせが外れていて、ちっとも共感できない。悩むのはモルダーだけにして欲しい。
大体、シナリオが杜撰だ。第2の犠牲者の水着が発見されるのは現場検証してかなり経ってから。遅いんだよ、というかバックドアの中を点検しない現場検証なんてあるかよ。元上司のスキナーと老人と御婦人2人きりで秘密実験所に乗り込むなんてのも危険過ぎる、安っぽすぎる。大体、あんな実験所、地元警察がすぐに怪しいと狙い定めなくてどうすんのよ。
というわけで、当初の期待は裏切られただけでなく失望感だけが残った。「相棒」もそうだったが、人気テレビドラマシリーズの劇場映画化は日米ともに力みすぎて失敗するのはなぜなんだろう。本格派を求めながらもテレビのコンテクストに引き摺られ過ぎてあれもこれもでボロが出てしまうのだろうか。
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