原発問題「気候変動どころじゃない」細川護煕氏の愚劣な文明観


東京都知事選立候補会見で(動画で1時間10分ぐらいから)原発地球温暖化の被害、気候変動との絡みを問われ、細川護煕候補は「福島の原発事故がどれだけ世界中に放射能をばらまいているか、それは気候変動どころの話じゃないんですね。気候変動ももちろん問題ですけど、気候変動と同じと言っていいくらい大きな被害を与えているのですから、そういう意味で原発の問題を捉えて行かなければならない」と答えた。
大手メディアではあまり報道された気配がないのだけれど、福島第一原発放射能漏れを正に地球規模の気候変動と同列またはそれ以上に捉えていることにはがっかりする。今も福一からの放射能漏れはダダ漏れであることは間違いなく、重大問題ではあるのだけれど、気候変動と同列と言うのはあまりにもあんまりではないか。あまりにも次元が違い過ぎるのだから。今後、放射能が原因で死者が出たとしても、次元が違い過ぎる。
最近、NHKでも放映されたけれど、このまま地球温暖化が進み、深海水まで水温が上昇すれば、海底のメタンハイドレートも崩壊して大量のメタンが大気中に放出されて、最終的には気温は50℃、海水温も40℃になって大部分の生物が滅亡すると紹介されていた。この仮説自体、目新しくもないし、あくまで極端な仮定だが、そこまでいく可能性は決して否定できず、それこそ福島原発事故どころの話ではない。
一般に気候変動の被害は豪雨、乾燥の極端化、猛暑日の増加、台風、洪水の大型化、伝染病の北上、海水面上昇などなどだが、本当の脅威はポイント・オブ・ノーリターンを超えると、地球の生態系そのものが制御不能に陥り、勝手に暴走して最終的に生物圏が崩壊してしまうことだ。
原発事故を残余のリスクなどとしたり顔で言う人がいるが、気候変動のリスクに比べれば、たかが保険会社が引き受けられないリスクなど所詮、牧歌的なリスクに過ぎない。そのような物事の軽重も分からないような愚鈍ではどうしようもない。いくら自然エネルギーと言ったって、根本認識がこれじゃしょうがない。
ちなみに小泉元首相の原発ゼロ発言の時に書いた日本に迫られる3種類のメルトダウンの中で、

リスクの大きさから見れば、1.地球温暖化メルトダウン=全世界人類が直接に関わり、存亡すら危険になり、もはや逃げ場所がない。2.日本国債メルトダウン=おカネの問題だから全国民が“被曝”する。海外移住できる富裕層以外は大被害を被る。3.原発メルトダウン=付近の住民に被害が出るが放射能汚染してない地域へ逃げることができる。

という物事の軽重を再掲しておく。
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