世界の気候大転換裏付け〜CO2濃度も底値が9月に前倒し傾向

世界の気候「大転換」の恐れ 温暖化対策、猶予なし(日経)

世界の気候が大きな転換点(レジームシフト)を迎えつつある――。こんな見方が気象研究者の間で広がってきた。熱帯太平洋で発生中の顕著な「エルニーニョ」現象が引き金となり、過去十数年間に比べ地球温暖化が進む可能性があるという。猛暑や豪雨など「極端気象」の増加をもたらす恐れもあり、さらなる温暖化対策を求める声が強まりそうだ。

工業化以降の過去百数十年間の地球平均気温は温暖化のため上昇しているが、細かく見ると気温の変化は熱帯太平洋の水温に連動する。海洋研究開発機構アプリケーションラボの山形俊男所長によると、エルニーニョが目立つ時期は気温の上昇ペースが速く、ラニーニャ傾向の期間は鈍る。実際、ラニーニャが目立った2000年代は地球平均気温の上昇がほぼ止まったように見え「ハイエイタス」(中断を意味するラテン語)と呼ばれた。米国などで一時、温暖化懐疑論や過度の環境対策への批判が強まったのは、ハイエイタスも一因とされる。
しかし、世界気象機関によると気温は再び上昇傾向がはっきりしてきた。14年の気温と平年との差は0.61度と、これまででもっとも高かった。15年も記録を塗り替えそうだ。5年平均の気温を見ても、11〜15年の平均と平年との差は過去最大の水準だ。山形所長は「今後は温暖化が加速する」と予想する。

これと似たような現象が大気中の二酸化炭素の季節変動でも見られるようだ。
Monthly Mean Concentrations at the Mauna Loa Observatoryによると、大気中のCO2濃度は年間の季節変動の中で、その底値が10月から9月に移動しつつあることが分かる。
「9月<10月」=9月底を過去のデータから見ると、1960年代は10年のうち4回(うち1回は同値)が9月底だった。その後、1970年代は6回、1980年代は7回、1990年代は8回と増え続けていた。ところが、2000年代は6回とブレーキがかかり「ハイエイタス」と一致している。
2000年代がハイエイタスと一致していたのは、熱帯太平洋の海水が特にCO2を吸収し易い状態が続いていて底が深く、十月底が多かったとも思われる。ところが、ここに来て「世界の9月の平均海面気温3か月連続過去最高を更新、より高いステージへ」上がることになりそうだ。
2010年代に入ると2014年までの5年のうち、3回は九月底だった。今年の10月はThe Keeling Curveによると、9月より上回りそうで、どうやら九月底の気配。9月の397.64ppmを上回って2010年代4回目の九月底を経験することになりそうだ。6年で4回ということは10年にするとほぼ7回になる。1980年代とほぼ同じ。
逆にピーク月は1960年代から現在まで少しの例外を除きほぼ五月ピークだ。
1年の季節変動の中で12か月のうち1960年代以前は11月〜5月の7か月は上昇期だったのが再び10月〜5月の8か月は上昇期になる確率が高くなり、それだけ二酸化炭素濃度の上昇が加速することになる。
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