矛盾成長に陥った世界

実話を基にした映画「エベレスト 3D」の中で、極寒の中で登山者が矛盾脱衣:paradoxical undressing

人間は、あまりに寒い環境下に長時間いると、体温の熱量は外気に奪われ、その結果体温が下がる。体温が一定以下に下がると、体は生命の維持のためにそれ以上の体温低下を阻止しようとして、熱生産性を高め、皮膚血管収縮によって熱放散を抑制することにより、体内から温めようとする働きが強まる。このとき、体内の温度と外部の気温(体感温度)との間で温度差が生じると、極寒の環境下にもかかわらず、まるで暑い場所にいるかのような錯覚に陥り、衣服を脱いでしまうといわれる。法医学では、これはアドレナリン酸化物の幻覚作用によるとも、体温調節中枢の麻痺による異常代謝によるとも説明している。

をすることが描かれている。
この異常行動を見ると、実は現在の人類そのものも、ある意味矛盾脱衣のような錯乱行動をしているのじゃないかと思えて来る。
先進国は低体温症ならぬ低成長と高齢化に苦しみ、日本から始まって欧米も“低金利症”になっている。低金利はお金をジャブジャブ出して熱を出す活性化策だ。けれど、環境が極寒なのにいくら熱を出しても温まらない(成長しない)。
日本に至っては、借金1000兆円超えても成長戦略まっしぐらでGDP600兆円戦略なるものまで飛び出した。一億総活躍は寒いからみんなで一塊になっておしくらまんじゅうしましょう、というのに似てなくもない。
日本だけではない。地球温暖化がもはや進行中なのが明らかならば、もはや経済成長にブレーキをかけようとするのが自然だが、マイナス成長戦略なんて、知る限りどこも採用していない。むしろ、先進国は成長の余地のあるアジアに投資をシフトし、そこも飽和状態になるとアフリカへシフトする。貧困解消という御旗が利用されて。そもそも“貧困”が解消されれば、世界は崩壊するというのは以前から言われていたことだが、エベレストのデスゾーン(標高8000メートル以上)になると、酸素不足から思考も鈍り、錯乱するように人類全体が制御不能になるのではないか。貧困対策がクローズアップされると世界の危機は近い。どうせダシに使われているのだから。
その結果、ますます世界は温暖化し、熱くなる。これはもはや矛盾脱衣ならぬ矛盾成長ではないか。矛盾脱衣の果ては投資ならぬ凍死だ。矛盾成長の行き着く果ても人類存亡の危機だろう。
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