モンスターエルニーニョで来年はCO2大放出?

Keeling_Curveによると、今月の大気中のCO2は前年同月比で3ppm前後の増加になりそうだ。もし3ppm以上の増加になれば、2013年2月(3.20ppm)以来だが、過去に集中的に3ppm以上の増加を記録したのは1998年だ(参照)。1998年6月(3.36ppm)、同7月(3.40ppm)、同8月(3.59ppm)、同9月(3.70ppm)、同10月(3.64ppm)、同11月(3.08ppm)となんと6か月連続で3ppm以上増加している。2か月おいて翌年1999年2月(3.00ppm)にも記録している。その後は2005年7月(3.17ppm)、2010年4月(3.08ppm)とまばらになっていた。
この1998年の集中的増加は1997年秋のエルニーニョ現象が関係しているようだ。海洋が温かくなった分、海洋への二酸化炭素の吸収が全体的には減り、ppm増につながったと思われる。
今年は1997年を上回るモンスターエルニーニョと呼ばれている。経験則で言えば、1998年の大放出は前年のエルニーニョの半年以上後から起きており、ppm増が顕著になりそうなのはむしろ来年半ばごろからだろう。もし、今月早々と3ppmをオーバーすれば、まだ本格化する全段階で3ppmを継続する可能性がある。ひょっとすれば来年は通年で3ppm以上になるかもしれない。
1998年との違いは、当時の最大排出国アメリカの景気が過熱していてCO2排出量がその10年前より約1割急増していたこと。一方で、来年は中国の不況が継続しそうで少なくともこの1、2年減少傾向にあって世界全体でもようやく排出量が上げどまったことか。
しかし、今度のモンスターエルニーニョは予測を超えたものになりそうで、多少排出量が減少してもppmの急増は避けられそうになさそうだ。
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