コペンハーゲン・ナンセンサス

コペンハーゲン・コンセンサスのことを山形浩生さんが紹介されておられるので、他人の褌で相撲を取ろう。その批判はこちらあたりでもやられているが、少々かったるそうなのでぶっちゃけモードで。
コペンハーゲン・コンセンサスとは、
1.climate change
2.infectious diseases, especially AIDS
3.conflicts and weapons proliferation
4.financial instability, including currency speculation
5.poor education
6.poor sanitation
7.poor government leadership and corruption
8.population growth
9.subsidies and trade barriers
10.hunger and malnutrition
の内、3つ削除された7つの中から優先事項を選び、500億ドルを最も効果的に配分する「お遊び」のことだ。
マイクル・クライトンも以前書いたエントリーのNHK番組内で、この「お遊び」に便乗する同じ発言をしていた。かのコペンハーゲン解釈をもじっているとしたら、いい度胸している。
その結果、最優先に選ばれたのが2のエイズ並びにマラリア対策、10の飢餓と栄養失調対策だ。一方で自由貿易が奨励され、紛争、武器拡散、投機による経済不安定は候補の段階ではずされた。7も含めてTaken togetherで得られる結論は、勘のいい人ならすぐ見えてくる。
コペンハーゲン・コンセンサスはアフリカ資源争奪戦の先兵だということ。実際、翌年の2005年のグレンイーグルズ・サミットでは、アフリカ支援が主要議題の一つとなった。ホワイトバンドもその追随商品だ。中国も今月、中国アフリカサミットを行っている。
歴史を遡れば、Band AidLive Aidも、米ソアフリカ資源争奪戦の犠牲で飢餓に見舞われた1980年代半ばのエチオピアがテーマだった。その現代版がLive8だ。彼らも結果的に資源争奪戦の化粧に利用された。
そういうわけで、いま、アフリカではエイズで人がボロボロ死んでいる。そしてそれがアフリカの貧困の大きな原因でもあるというのが通説だ。これを何とかしなきゃいけない、と思うのは人情だなんてそんな大甘で殊勝なこと、彼らが考える筈もなし。
大体、気候変動(地球温暖化)とエイズを「どっちを優先する?」なんて問い自体、「インフレ予防策と交通事故死対策とどっちを優先する?」と問うのと同じくらいナンセンスだ。同じ土俵で相撲を取らせる時点で、彼らのアホ臭さを悟らねばならない。
気候変動対策とは、すなわち自然のインフレ予防策だから、比較対照すべきはインフレ策、通貨政策だ。このことはコペン賛同派も、コペン批判派も分かっていない。
そして、主宰があのビヨルン・ロンボルグさん。あの能天気本の著者だ。それを嬉々として訳した山形さんも、出版した文芸春秋もやはり能天気で幸せな面々だ。
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