「不都合な真実」と地球おバカ化対策

アル・ゴア(Al Gore)のドキュメント映画「不都合な真実」を紹介したマル激トーク・オン・ディマンド「京都議定書はなぜ動かないのか」を見る。相も変わらず「地球温暖化は科学的証明が難しい」などと論じられているが、科学的証明などとっくにされているし、COP/MOPが無意味なこともとっくに証明済みだ。
いわゆるホッケースティック・グラフの平均気温の上昇と、二酸化炭素濃度の上昇グラフとを重ね、因果関係が論じられるが、実はこんな比較と無関係に「地球温暖化の科学的証明」などできるのだ。
二酸化炭素が温暖化ガスであることが証明されている。
・地中に眠っていた化石燃料が大気中に排出され続けている。
この二つだけで必要充分なのだ。
有名なマウナロアの二酸化炭素濃度観測のグラフを持ち出さなくても、新たに大気中並びに地表に供給された炭素量は吸収された炭素量より上回っている限り、地球温暖化の科学的証明は済んでいる。
バカの一つ覚えのように、「産業革命以前にも、温暖化した時期があり、まず温暖になり、二酸化炭素濃度上昇は温暖化の結果に過ぎないし、過去のデータが証明している」という説をよく見かける。もちろん、これは二重の意味でトンデモで、最初に温暖化が進行しても、それに続く二酸化炭素濃度上昇も、更に温暖化を促進する。そして、産業革命以前の温暖化は化石燃料とは無関係なので比較自体が無意味。当然、産業革命以降の温暖化は二酸化炭素濃度上昇が先行する。
グラフだけ見ても無意味なのは、グラフは化石燃料起源と、非化石燃料起源の要因(ちなみに弾さんの「太陽も変動している」も当然ながらこの中に入る。地球に生物が誕生したころ、太陽光エネルギーは現在より30%ほど少なかったと言われるくらいだから)とを区別しないからだ。自然にゆらぎはあっても、化石燃料が要因の温暖化はゆらがず右肩上がりだ。故に仮に気温が下がったからといって温暖化が起きていないなどと言えるはずもない。
炭素流通量が増加すればどうなるか。これはもう経済学の問題で、中央銀行が紙幣をむやみに印刷して市場にばらまけば、景気がよくなり、インフレとなり、更に闇雲にヘリコプターマネーのごとくに通貨を供給するのが常態化すればハイパーインフレになる。マネーを化石燃料起源の炭素に置き換えれば、温暖化はインフレであり、やがてハイパー温暖化になることはまともに考えれば誰もが分かるはずだ。
こんなイロハのイも弁えず口害を垂れ流しているマイクル・クライトンなどは、「ハーバードの医学部出ているからおバカであるわけない」などと思い込まずにはっきりバカと宣告すべきなのだ。これが地球おバカ化対策というものだ。
私も、当初はいわゆるポジショントークの類と思っていたが、そうではない。彼らは普通におバカなだけだ。世界のバカ濃度は実は二酸化炭素濃度を上回る勢いで上昇していたのだ。ここを見誤ると末代まで禍根を残すことになろう。地球温暖化対策とともに地球おバカ化対策も必要なのだ。
番組では、COP/MOPの報道の少なさについて、マスメディアに責任転嫁されるが、全く無関係だ。なぜ報道されないかは簡単な話だ。退屈で、つまらなくて、時間の無駄で、役立たずで、要するにおバカな会議だからだ(コップは踊り水漏れてモップで拭う?)。
京都議定書が詐欺だというよりもおろか、実はちゃっかりグローバル経済促進の先導役を担っていることは、分かっている人は分かっている。削減義務のあるのはすべてポスト産業化社会国で、排出権取引は、製造セクターの新興国移転に好都合な誘引を提供している。日本でも製造セクターだけ優等生な理由がここにある。なにせ新興国では規制も緩く、おおっぴらに二酸化炭素を排出できる。技術移転と称して、既存のまだ使える「効率の悪い」発電や採掘設備などを最新技術の設備に衣替えさせ、市場を確保する。排出権などお安い市場確保料で本当に「好都合な議定書」だ。途上国に削減義務を課せられて一番困るのは実は先進諸国なのだ。
さて、ゴアさんはどこまで考えておられるのやら。
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