時代錯誤の「平年」気温

1000years temperatureOECD:温暖化でアルプスのスキー場は危機に直面
Abrupt Ice Retreat Could Produce Ice-Free Arctic Summers by 2040
世界の平均気温、06年は1861年以降6番目の高さ
最近、やたらとこの手の記事が目に付く。もう恒例なのはグラフから見て当然なのだが、問題はこの地球温暖化現象が必ずしも日常生活の情報に直結していないことだろう。
日経記事の一部の中にある1961-90年というのは、お天気ニュースで御馴染みの所謂「平年」との比較する気温を算出する過去30年間だ。実際には現在では1971-2000年の平年値が採用されているはずなのだが、いずれにせよ、↑のグラフのような状態では、この「平年」気温も当然ながら右肩上がりで上昇する。2011年になると、1980-2000年の平均気温が採用されるから、この間に起きた「異常気温」がだんだん「平年」化されるということになる。
平年差このため←のグラフを見ると、ついつい世界の平均気温はほんの20年以上前までは、低かったのかと錯覚させられてしまう。実際、そう信じてしまう人も多いのではないだろうか。
専門家というのは、実は一般ピープルがどう感じるかということに意外と鈍感で、意図せざる誤解をさせるエキスパートのような気がする。
少なくとも現在の定義の平年で気温を比較するのはやめた方がいい。技術的に可能なら20世紀全体の平均値を平年にした方がいいだろう。そして、その数値は少なくともこの半世紀あるいは今世紀中改定すべきではない。
これからは、この新平年差を使って、あたかも「今日の日経平均」とか「今日の為替相場」を見るように日常的に情報を流す必要がある。
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